desnudo Vol.16「牛女」 公演情報 ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団「desnudo Vol.16「牛女」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     フラメンコと言えば日本人が最初に想像するのはヒターノであろう。迸る情熱と哀愁を帯びたメロディー、緩急を基調に凄まじい迄のタップに激しくかき鳴らされるギター。踊りが演じられるのは場末の安酒場とくれば、もう映画そのものという感じがする。(ブラボー!)

    ネタバレBOX


     然しながら今回演じられたのは、フラメンコはフラメンコでも、童話作家・小川 未明の作「牛女」とのコラボだ。用いられている楽器は、ピアノ、チェロ、尺八、ギター、パルマ。ピアノ奏者は歌も歌えば作曲もする。フラメンコ自体非情にレベルの高いものだが、朗読、楽器演奏や歌唱とのコラボを含め全体のアンサンブルが素晴らしい。ダンサーたちの身体訓練もキチンとしていることは明らかだ。お年を召したダンサーもいらっしゃるが、踊りの要である足腰の鍛錬によって可能な限り姿勢も制御している。ヒターノの狂熱的なダンスではないが、身体の基本を良く知り、極めて合理的に制御している技術とそれらを可能にしている基礎鍛錬が素晴らしいと同時に衣装にも気配りが効いてダンスを盛り上げている。無論、基本はタップなのであるが、物語りの内容に応じて緩急のみならず、強弱から無音に至る総ての階梯を実に納得のゆく演技で表現している。
     牛女が亡くなる辺りから、息子を思って何としても亡き後も見守ってやりたいとの切なる念の表現も母の有難さをひしひしと感じさせる。キュートでありながら、深く包み込んでくれるような温かな愛の表現である。牛女役でソロを演じる鍵田 真由美さんのお顔が菩薩顔ということもあって理想の母像としても拝見した。
     母を亡くした後、南に行って成功し、故郷に錦を飾った息子は広い土地を買い林檎園を経営し始めるが、大地に感謝するシーンがあって、農民の本質を良く理解していることもうかがえる。
     最前列桟敷席で拝見したので、腰の悪い自分は腰の痛みに耐えられるかも不安だったのだが、終演後、スタンディングオペレーションをする人が何人もいたが、それも充分頷ける内容であった。

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    2019/02/02 00:47

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