超人類 公演情報 BACK ATTACKERS「超人類」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★


     大坂の通天閣地下には、超能力者を集めた秘密組織があるらしい。(追記2019.1.19)

    ネタバレBOX

    そんな都市伝説の真偽を確かめようと東京からやってきたのは超常現象を扱っている雑誌の記者とカメラマン。記者はフリーランスで世界中を飛び回って来たようである。偶々日本に居たということで今回の特集に参加したのだろう。新世界へやって来たものの、当てが有る訳ではない。そこで大阪名物のたこ焼き屋に入って情報収集から始めている。運よく入ったたこ焼き屋のおばちゃん・タマヨは、この謎の企業に出前をしたりしており、この界隈では情報通として知られた人物であった。 
     タマヨと仲良くなった2人は、彼女の手助けを受けつつ、企業中枢に上手く入り込むことができるようになった。通天閣地下には、実際に今や世界にその存在を知らしめるような企業が入り超人類とも言えるエスパーを集めて娯楽の世界で新風を巻き起こしていた。用いられているのは、世界最速レベルを誇るスパコン、そして数々の異能を誇るエスパーたち、そして彼らの作ったエンターテインメント作品を具現化し発信してゆくマスコットキャラクターの少女・ナミ。彼女のライブや情報発信に対するアクセスはウナギノボリに延び終には世界1ということになるが、この会社のエンジェルとなって莫大な開発費用を出資し、上がりに対してコミッションを要求してくる神は、このナミを譲るよう脅迫してきた。通天閣地下にある企業の名は「バビロン」。聖書に現れるバビロンの塔のバビロンである。対するは、神を名乗る者だ。戦いの火種は撒かれた。而も神は、既に刺客を送り込んでいたのだ。その刺客は新しいエスパーとして採用されたエビス。彼の能力は、相手の精神をコントロールすることだ。その術中に嵌ったヒノは、ナミのアクセス権を無効化遂にはデリートされる所迄追い込む。その後、彼自身がデリートの憂き目に遭う。この内部からの崩壊工作に対してサポートを受け持つサノオも、昼の間予知によって様々な困難を乗り越えてきたアマテラ、夜の担当クヨミの予知も、神によって作り変えられていた旧ヒルコ(即ち現エビス)を阻むことはできず、神の矛によってバベルは崩壊するが、再起を目指しナミを復活させたバベルサイドの各エスパーと社長イナギ、秘書カガミら、抗う者らの魂が滅んだ訳ではない。
     ところで、この主従関係、現実の鏡に映すとどう解釈できるだろう? 自分は、デュアリズムで押しまくり、現在の帝国を作ったアメリカとその植民地である日本を思い浮かべていた。圧倒的な力の差によってしかデュアルな世界で覇権を握ることはできない。これを解釈すれば、神とは力の別名である。そして少なくとも近現代に於いて神はまさしく力そのものであった。そしてそれに対抗するのは自由を求めるまつろわぬ精神を持つ人々であった。因みに今作、神サイドは基本的に更に進んだ技術力と富を具えた存在であり、対するまつろわぬ者らは神を名乗る者よりは遅れ、経済的規模も小さい者らである。神サイドが反逆者らの文化的レベルを取り込み自由に用いているのに対して反抗する側に此処までの裁量が無いことを見ると優劣は明らかであるが、まつろわぬ根拠そのものが、創世神話に根差しただけのものであることは矢張り必敗の歴史を刻むしかないことを示唆しては居よう。而も、彼らがまつろわぬ者である根拠には、神世界同様の論拠が根付いているのであるから、まつろわぬ者ら自身が己の中に矛盾を抱え込んでいることになる。この点を解消した上で独自の原理を定め発展し得ない限り彼らに勝ちは無い。

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    2019/01/11 09:14

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