想稿 銀河鉄道の夜 公演情報 ことのはbox「想稿 銀河鉄道の夜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

     う~~~~む。少し追記(2018.10.14)

    ネタバレBOX

     原作は北村 想、自分は原作を読んでいないので間違いかも知れないが“本当のこと”というフレーズが多すぎる。今作のシチュエイションで言えば、3度までは許される。それ以上はくどくなって逆に本質から遠ざかって仕舞うと見る。脚本に関しては以上だ。
     カンパネルラもジョバンニも女優が演じているのだが、少年を演じているのだから晒しを巻くなどして乳房を隠すべきだろう。賢治作品に関してはそのような配慮が必要だと考える。演出家の感性とは異なるだろうが。上記とも関連して宮澤 賢治作品に対する認識が甘いように思う。
     北村 想の原作を読んでいないので、以下に述べることが当を得ているか否か定かでないのだが、北村が想定したであろうファンタスティックな世界は、定番とはいえ、それなりの水準を感じさせるのに、歌唱シーンが入ることによって百年の恋が一瞬に醒めるような幻滅感に襲われるのが如何にも残念だ。このシーンを活かすならいくらでも方法はある。演出家の決断でこのシーンを削ることがあっても良いし、活かすのであれば、観客に幻滅を齎さないで欲しい。
     もう一つ、言っておきたいのは、噛む役者が多かったことである。この程度の科白量で、これだけ肝心な所で噛みまくるようならキャストを変えるべきだろう。何故なら、本質的な所で本当のこと、と、宗教とは相まみえねばならないテーゼだからである。本当の事を宮澤 賢治が求めた以上、北村を越えて演出家は思いを致さねばならないのは当然のことだし、そのような姿勢で役者陣に接していれば上に挙げたような批判は受けずに済んだであろうから。
     作品をミュージカルというコンセプトに仕上げたいならそうすべきだろうし、そうでないならそのような演出を心掛けるべきであろう。総てが中途半端である。今迄の演劇ジャンルや既成概念を破壊するのが目的であれば、キチンとそのことを形にしなければなるまいが、そういう要素も感じなかったし、強烈な現世否定や幻滅を経験しているという徴も見られない。演出家に自分自身の哲学が欠如していると考えざるを得ない。そのような視座が無いなら演出をすべきではあるまい。

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    2018/10/13 01:35

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