15 MINUTES MADE VOLUME 5 公演情報 Mrs.fictions「15 MINUTES MADE VOLUME 5」の観てきた!クチコミとコメント

  • 粒揃い
    場の空気に馴染まないと楽しめない性質だったりするので、一作品15分という制限のある6劇団によるオムニバスという設定にやや尻込みしていたのだけど、予想以上に楽しむ。どの作品もすんなり入れるし、話自体のまとまりもいいしで、なかなか粒揃いだった印象。

    ただ反面、ちゃんと作りすぎてるなあ、見本市なのに完成度で勝負しようとしてない? こういう場ではもっと破綻した壊れたもののほうがインパクトあるのに、次回以降に自劇団へ足を運んでもらうためのプレゼンとしては全体的にちょっと弱めだったかもしれない、なんて思いも。まあ、あまりに自己主張強すぎでトンガリまくってたりしたら座っているのすら辛かったりする可能性もあるので、そこ、あんまし文句いっちゃあいけないんだけど(笑)。うん、よいセレクトでした♪

    ネタバレBOX

    個人的には、自分たちの空気感と役者の魅力を感じさせることに注力していたように思える「東京ネジ」の好感度高し。なので、一番、本公演を観たい思った。やっぱり双子は反則スレスレな強力な武器、だと思う(笑)。
    あと、6劇団共通の舞台装置をもっとも華やかにみせていた点も、
    これから春を迎えようとする季節の気分と合っていたんじゃないかなあ。
    しかし冷静に考えると、夏目漱石の『夢十夜』が原作で、なおかつ『母をたずねて三千里』をモチーフに使っているのに、鬱々ともジメジメともしなかったのはある意味、すごい(笑)。

    一方、15分の作品としての完成度では圧倒的に「青☆組」、でしたか。
    冒頭から、謎はあるんだけど疑問は生じないという、非常に観客に親切な作りで、なおかつ最後まで緩むところなし。
    しかし、作・演が女性だというのに、このオヤジくささはなんでなんだろう?(笑)
    そんなことにくわえ、いわゆる一瞬の時間とか空間を切り取るのは上手いけど、心ときめかないことの多い“団”芝居なんで、もし6作品から決勝進出に3本選べといわれれば絶対に残すけど、2本の場合にはあえて落としてしまったかもなあ…。

    でもって、自分が評価する“芝居”としてのクオリティでは「DULL-COLORED POP」。
    脚本も演出も、ここでは少し格上の安定感だったような。
    とくに、ラストのタイトルへ「裏返して」の繋げ方とかピタリと嵌っていて、格好良し。
    だけど、そのあたりの巧みさとか、一人3役という工夫のある、でも最近だと既視感のある見せ方ゆえに、逆に、都会で一人暮らしをする女の子の深夜帰宅後の15分間の切なさをきっちり届けられなかったような気も。
    たぶん、ちょっと論理的すぎたんだと、思う。

    あと、「ジエン社」の“かぐや姫”の使い方は超好み♪
    いないよ、ふつう、会社に「姫」は!w
    彼女に気に入られるために、過去にどれだけ多くの王侯・貴族たちが艱難辛苦、ときには破滅してきたかに思いを巡らせてしまい、あの社長が妬ましくさえなったりも。
    月での食事を取ってしまったら、ここでの記憶はすべて失われてしまうのですね、なんていわれてみたいよ!(そして彼女は、社長との思い出を守るために餓死するんだよ、きっと!!!)
    また、どこに向かうのかまるでわからない前半とか、自分的には集中して観よう、という感覚が高まったので、意図的なものかどうかはともかく、短編の手法としては評価したい(笑)。

    「MOKK」は、冒頭の立ち姿美しく期待したのだけど、その後の、重さも感じられないけど軽やかでもない、やや指向性を欠いた振付で失速。もっと、ひとつひとつの動きを丁寧に作って欲しかった、かな? たとえば柔道の横四方固めみたいな絡みとか、二度目は返しを入れたりするだけでかなり速度感が増したりして、より楽しくなったと思うのだけど。

    で、主宰の「Mrs.fictions」は、出演者数が多かったためかキャラ勝負の比重を高めた作品だったのだけど、いまにして思い返すと、中島みゆきとか松任谷正隆とかフェチな警察官(自分的にはかなりツボ!)だとかあまり一般的ではない笑いと、意外とまっとうな物語とが、平日のマチネのまだ会場が暖まらない一番手という場ではきっちり噛み合わなかった印象。しかも、なんとなく締め、っぽかった気も(笑)。もちろん、トップバッターだからまずは出塁とは思わないのだけど、もっと大振りして三振かホームランな作品でもよかったかも?

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    2009/03/14 09:46

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