白雪姫という女 公演情報 ライオン・パーマ「白雪姫という女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     舞台美術は、かなりシンプルだが、使い方が上手い。奥中央はゴシック様式の半円を上部にあしらったような出捌け、下手は上半分が斜めに走る稜線を交錯させた模様の入った窓のような拵え、上手は壁面になっているが、状況に応じて仕掛けが機能する。舞台上は基本的にフラット。手前に掛かる2段階の額縁状の縁から植物の葉が長く、短く垂れ下がっている。

    ネタバレBOX

     「白雪姫」というファンタジーの後日譚。描かれるのは甦った白雪姫の20年後の物語だ。彼女は、毒りんごを彼女に食べさせた当時の女王と同じ年齢になっていた。この辺りの設定の上手さに感心する。何故ならこの因縁めいた設定が、プロットの宿命的な因果律を発動させるからである。実際、この子供向け世界的ファンタジーを大人の苦い寓話に変じてみせるのは、容易な作業ではない。筋運びの上手さは他にも白雪を救った王子と彼女が事件後まもなく王宮から姿を消したこと、鏡製作工場に新たに入った従業員、アダムさんは林檎を決して食べないこと等の伏線が、後半見事に生きてくることなどが挙げられる他随所で見られるが、取り敢えずはこれらの点を指摘するに留めよう。初日を終えたばかりだし、後は観てのお楽しみだ。
     この伏線を活かした後半と、アダムさんが担当している工程が、これまた因果律を為していて物語を自然にみせてくれる。最終部分の描き方も大人の寓話に相応しくハッピーエンドではあるものの、苦味を残した辺り流石である。

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    2018/08/24 16:47

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  •  巧みなストーリー展開に感心しました。終演後、ご挨拶する時間が無く失礼しました。
    楽まで駆け抜けて下さい。
                                      ハンダラ 拝

    2018/08/24 16:51

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