大正浪漫に踊る~天空を翔るハイカラ姫たち~ 公演情報 劇団Brownie「大正浪漫に踊る~天空を翔るハイカラ姫たち~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

     タイトル通り、踊るシーンの多い舞台だ。当時の女子学生の典型的なスタイルは、現在でも女子大の卒業式でお目に掛かるような黒の短靴に袴、上は華やかな振り袖、頭髪にはリボンを添え、その色は、彼女達それぞれの自己主張のようでもある。

    ネタバレBOX

     板垣 退助の率いた自由民権運動が盛り上がりを見せ、川上 音二郎のオッペケぺ節が大流行した時代には、この潮流を面白く思わない連中も居た。板垣は、こういった連中によって暗殺された訳だが、今作で何度も言及されている民撰議員設立建白書が提出されたのは1874年、岐阜遊説中に刺殺されたのが1882年であるから、今作で語られる時代は、敢えて錯誤が解消されないまま設定されている。いくらエンタメとはいえこれはちと酷い。
     例示すれば、彼は妾腹の娘をこの政治的状況から護る為、妻の経営する女学校へ入学させていたということになっているが(これは大正時代であるから1912~26年)同期には、後の平塚らいてう(1886.2.10生まれ)、与謝野晶子(1878.12.7生まれ)、宮家筆頭の娘らも居ることになっており、女子の恋話を咲かせていたことは言うまでもない。然し、らいてうと晶子の年齢差から、これも在り得ない。今作は、エロ、グロ、ナンセンスと評される大正時代を、踊りを多用することで艶やかな側面から見せようとした物語と言えようが、その分時代が急転直下してゆく動静を伝える点では弱い。というより余りにもハチャメチャである。実際に存在した時代の浪漫を描くのであるなら、創作と雖もこれは外し過ぎという感がしてならない。艶やかさを描くだけなら、完全に架空の世界を設定した方が良いように思うからだ。

















     タイトル通り、踊るシーンの多い舞台だ。当時の女子学生の典型的なスタイルは、現在でも女子大の卒業式でお目に掛かるような黒の短靴に袴、上は華やかな振り袖、頭髪にはリボンを添え、その色は、彼女達それぞれの自己主張のようでもある。
    板垣 退助の率いた自由民権運動が盛り上がりを見せ、川上 音二郎のオッペケぺ節が大流行した時代には、この潮流を面白く思わない連中も居た。板垣は、こういった連中によって暗殺された訳だが、今作で何度も言及されている民撰議員設立建白書が提出されたのは1874年、岐阜遊説中に刺殺されたのが1882年であるから、今作で語られる時代は、錯誤が解消されないまま設定されている。いくらエンタメとはいえこれはちと酷い。
    例示すれば、彼は妾腹の娘をこの政治的状況から護る為、妻の経営する女学校へ入学させていたということになっているが(これは大正時代であるから1912~26年)同期には、後の平塚らいてう(1886.2.10生まれ)、与謝野晶子(1878.12.7生まれ)、宮家筆頭の娘らも居ることになっており、女子の恋話を咲かせていたことは言うまでもない。然し、らいてうと晶子の年齢差から、これも在り得ない。今作は、エロ、グロ、ナンセンスと評される大正時代を、踊りを多用することで艶やかな側面から見せようとした物語と言えようが、その分時代が急転直下してゆく動静を伝える点では弱い。というより余りにもハチャメチャである。実際に存在した時代の浪漫を描くのであるなら、創作と雖もこれは外し過ぎという感がしてならない。艶やかさを描くだけなら、完全に架空の世界を設定した方が良いように思うからだ。

















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    2018/06/03 03:12

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