サイキックバレンタイン 公演情報 たすいち「サイキックバレンタイン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     驚いたのは、エレベーター前(1F&4F)にスタッフが立っていて、適切なサジェッションとフォローをしてくれたことだ。 シンメトリックに創られ、手前は狭い幅の袖、中央はやや広くとった袖、最奥部は壁風にレイアウトされた衝立各所に、エスパー(特にトランスポーテーション能力を表現するにうってつけの)伸縮テープを用いた舞台美術も素晴しい。色彩の用い方も抜群のセンスである。(追記2018.5.4)

    ネタバレBOX

     超能力者の話である。超能力の研究が日本より進んでいる国がある等という少年誌の記事に踊らされて、超能力を得ようと努力した経験は、多くの方々が持っていることだろう。今作には、サイコキネシス、テレポーテーション、テレパシー、プレコグニッション、クリアヴォワイヤンス、パイロキネシス、コンパウンドなどの超能力者が登場するが、舞台は、人間が作ったエスパー研究施設である。表向きの研究目標でエスパーたちを集めてはいるが、研究所の目的は、特殊能力を持つエスパーたちを人間の完全な管理下に置くことであった。
     このことに気付いた八重内(コンパウンド)は、仲間のるる(クリアヴォワイヤンス)に5年後、この施設で起こる危機を告げ失踪する。
     そして、5年目、新たなメンバーが施設にやってきた。八重内からのメッセージを受け取っていたルルは、早速新たにやって来た2人の内偵を始める。1人はパイロキネシスを持つ四方、1人は能力不明のマリ。然し四方は、もう一つ優れた技術を持っていた。それは催眠術である。彼は会った人々に強力な催眠術を掛け、操り人形と化していたのである。その技術を用いて彼は研究所とツルンデいた。エスパーを管理下に置く為に研究者が研究を重ねていたことは先に述べたが、彼らは研究成果を用いてエスパーコントローラーを既に開発していた。このことの危険に気付いていた八重内は、実際には5年前に殺されていたが、残留思念となってこの地に留まり、機会の訪れるのを待っていたのである。そして四方のスパイ活動を通じて、実際に研究所がエスパーを管理下に置こうと行動を起こしたことが、八重内が、各人に取りついて自由に操る能力を用いて反乱を起こすきっかけになった訳だ。
     結末がどうなるかは観てのお楽しみだが、ここには支配・被支配そして自由の問題が提起されている。観た者が何を感じ、どう作品を解釈するかはそれぞれの自由である。その自由が保障されないということになれば、窮屈な世界になることは明らかだろう。それによって殺されるものが何なのか? そのことに思いを馳せたいものである。


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    2018/05/02 15:03

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  • 追記しました。
        ハンダラ 拝

    2018/05/04 15:27

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