春の花びら3回転!! 公演情報 チームまん○(まんまる)「春の花びら3回転!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     “下ネタは世界を救う”を標語にぐぁんばっている劇団だが、お客さんには、若く美しい女性も結構多い。花四つ☆

    ネタバレBOX

    今回は短編3作のオムニバス公演で、当初90~100分位を考えていたのですが120分と長くなりました、と前説の時に説明があったより長くなった。が、全然退屈などはせず、最後まで楽しませてくれた。というのも、下ネタというのは、生命現象にそのまま結びつくので、結構哲学的な傾向を持ち易いと同時に羞恥心など社会的・文化的問題とも深く関わる為、社会学、心理学、社会心理学等々にも結びつき易いのだ。その上、社会ヒエラルキーの上層、下層を分けるメルクマールにもなり得る。当然、タブーとも結びつくのだ。
    上演順に作品タイトルを挙げると
    花びら①:おめこ星 
    花びら②:じまんげ 
    花びら③:うんKOである。
    ところで硬いことを言った序でに“下ネタというのは案外哲学なのである”という事を実証するのも面白かろう。16世紀ヨーロッパを代表する知識人であったフランソワ・ラブレーの書いた「ガルガンチュワとパンタグリュエル物語」には、エスプリ・ゴロワがふんだんに登場するから下ネタがかなり作品中に描かれるのだが、それはルネサンスの光であると同時にそれまで中世キリスト教によって散々抑えられてきた人間性解放の讃歌でもあったことは明らかであり、そこに描かれる教育論など当に天才の発想そのもの。医学者としても超一流の医者であったラブレーの人間性を余すところなく描く傑作であるから、時間の在る方は一読されたい。岩波文庫で絶版になっていなければ入手可能なハズ。但し、注釈がごまんとついているから覚悟して読むべし。注を入れて2500~3000ページくらいだろうか。もう何十年も前に読んだのでハッキリページ数までは覚えていないが大体その程度である。
     他にも能書きを垂れれば「金環蝕」という小説はご存じだろうか? このタイトルは無論、天体の美しい現象ではない。初代芥川賞受賞作家の石川達三が、政治の世界を汚穢そのものとして描く為に敢えて天体の美しい現象を穢す下司としての政治屋を糞に例えたのである。糞を黄金に例えるスラングは誰しも知る所だ。つまりアイロニーである。蝕の使い方が何とも微妙ではないか。「生きている兵隊」で発禁処分を喰らった石川 達三の意地が見えるような気がする。因みに「生きている兵隊」に描かれていることは、日本軍が中国で行った戦争犯罪行為である。
     閑話休題。①は、スマホに代替されているAIと我々人間存在の正しく現在に於ける対比である。利便性に侵食された我らの人生は、更なる利便性を求めて自己崩壊してゆくのか否か? 更にこの先他の技術とも結びつきつつ進化・深化してゆくであろうテクノロジーに、支配される可能性の高い我らヒトの存在をも根本から考え直させる契機を含んでいると見た。
    ②は、性に目覚める頃の男の子と母との関係を面白おかしく描いたものだが、男の羞恥心と女性の現実的な生々しさがすれ違う滑稽味が見所か。
    ③は、ストレスと胃腸との相関関係を心理学的なレベルを中心に追った作品で、自律神経失調と便意との関係が分かり易く描かれて示唆的である。
    だが、何れの作品も密接に生きるということに関わっている点で実に人間的であり、エコロジカルな視点で描かれている点が良い。
    これに対し我々・ヒトが発明してしまった核などは、暴走すれば、人間だけではない。死滅するのは。地球上の総ての生き物である。この責任は我ら、人間にこそある。

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    2018/04/12 02:44

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  • アップしておきました。ご笑覧のほど。
                 ハンダラ

    2018/04/12 03:55

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