プープーソング 公演情報 劇団きらら「プープーソング」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     普段九州で活躍するグループである。科白は熊本弁であるが、自分は方言が好きなので苦にならない。

    ネタバレBOX

    それどころか、できれば、方言についても学んでみたい方である。何故なら、その地域の言葉こそ、その地域が要請する身体表現なのだと考えるからである。日本語には厳密な意味での標準語は存在しない。現在「標準語」とされているのは、東京山の手の方言をベースに創られた言葉であるが、それだけのことで、ヨーロッパ先進国の言語スタンダードが、その国の国語の最高権威が1世紀以上のグループ研究を続けて創られてきていること、国語の何がどのような経緯で発展してきたかを、その単語の初出、初出文献、その時の意味、その後の変容の過程などを例文つきで検証、辞書化しているのが当たり前なのと比べると話にならない。
     何れにせよ、話の内容は、正しく現代。とても上手い設定だと思わせるのが、ネットを用いた人材業の話を、派遣という形態の労働の形式で表し、而もそれがネット社会の闇をも示唆しつつ、我々が暮らしている当に今、この時のこの「国」の在り様を見事に炙り出している点だ。この設定の良さが、地方と都市部の差を無化すると同時に、人間という生き物の何たるかをその普遍性のレベルで描くことに集約している。
     舞台セットも室内トレーニングマシンを金属柱やパネルを組み合わせることで作り、他は総て箱馬を使用。唯、並べ方を変えるという最もシンプルだが、観客の想像力を信じた方法で行っていることだ。地方の劇団が、出先でどう舞台美術を創るかは大問題であるから、合理的でもある。
     脚本の質も高く、役者陣の演技、演出も良い。殊に自分に科白が無い時でも、何らかの仕草を演じている、とても丁寧で真摯な演劇に対する姿勢の良さが気に入った。


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    2018/03/20 14:56

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  •  また、東京へいらして下さいね。
               ハンダラ 拝

    2018/03/20 15:04

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