猫と針 公演情報 劇団Kalium「猫と針」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    恩田 睦の原作だが、ラスト迄ずっと板上には登場しない精神科医・オギワラの弔いに集まった高校映画研究会の面々、5人の疑心暗鬼を描くサスペンス。(花4つ☆)

    ネタバレBOX


    何の変哲もないような友人関係のハズが、誰かが席を外すとか、噂話をすると変な勘繰りを入れたり、矢張り登場しない外資系ディーラーの妻とオギワラとの不倫を疑う夫がストーカー紛いのことをしたり、映画監督になったタカハシと付き合っていたと噂の大地主の妻の自殺とタカハシの関係を周りが勘ぐったり、と。居ない他人の話を通じて沸き起こる疑念や、噂話の不確かさが生み出す懐疑によって簡単に崩されてしまう我々の信頼関係の脆さを、新作映画のエキストラを頼むとしてスタジオに集め、撮影をしながら、別の所に設置したカメラで終始隠し撮りを続ける、監督タカハシの深い人間不信から離人症でも発症したかのような執拗で陰惨な真実追及の手段を通して、我らの時代にここで生きる現代日本人の深く病的な不信という怪物を炙り出した作品、と解釈した。
    恩田 睦が、何を描きたかったのかを深読みし過ぎるくらい深読みしても良いのではないだろうか? また、今回音響はオープニング、ラスト共にショパンの「ノクターン」を用いているが、観劇後、つらつら考えてみるに、自分ならラストには、エリック・サティの「ジムノペディ」を使うかな、などと考えてみた。演奏は高橋 アキだろうか。演技については、登場した5人それぞれにかなり演じてきているなと思ったら、高校時代の演劇部仲間が中心になって結成したグループだというので納得した。
    スタッフの対応、作品を丁寧に作っている点でも好感を持った。

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    2018/03/16 01:22

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  • どりーむさん&皆さんへ
     皆さんが真摯に演劇に取り組む姿に好感を持ちました。
    ますます自らを深め、世界を良く観、自分の頭で考えて
    真偽を見抜く力を持ち、身体感覚を研ぎ、尚且つ年齢や
    鍛錬を通して変容してゆく自分の身体について、単に自分の
    視覚範囲の認識を求めるのではなく、全方位的に己の
    全体を見る*よう心掛けて下さい。ご健闘を祈ると共に
    今後のご活躍に期待します。
    *については世阿弥の“離見の見”を調べてみてください。
                        ハンダラ 拝

    2018/03/16 12:03

    ご来場、素敵なご感想、誠にありがとうございました!(o^^o)

    2018/03/16 10:55

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