スピークイージー 公演情報 やみ・あがりシアター「スピークイージー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     タイトルのスピークイージーとは、アメリカの禁酒法時代に酒を出すバーを指していたとされる。禁酒法ではアルコール飲料の販売、生産、輸送(密輸を含む)が禁止されていた。

    ネタバレBOX

    この事実をベースに都条例で禁酒法が可決されたという設定の話だ。悪法として歴史に残る禁酒法が施行されるとどんな状況になるかを描いている。
    舞台は、雑居ビルの1階にある「居酒屋」たこはち。客は、毎年忘年会をこの居酒屋で行って来た階上に入居する会社員である。社長、専務以下総てのメンバーが揃っているが、新入社員2人ということから規模も想像できよう。
    舞台セットは中央に4畳半サイズの畳敷きがあり、この真ん中に縦長のテーブル、客席側を除いた3方に座布団が2枚ずつ置かれている。上手、下手の壁のやや奥に出捌け口があり、暖簾が掛かっている。畳敷きは各コーナーに柱が設えられ、空洞部分には、各種の瓶が、種類ごとに纏めて置かれている。畳敷きと壁の間には、日本酒一升瓶用のラックや、ビールケースなどが裏返しに置かれて丁度椅子に用いる高さになるよう重ねられている。下手奥にお品書き。天井からはフィラメントの裸電球が下がっている。中央の物だけサイズが大きい。
    参加メンバーで面白いのが、飲むと一切を忘れてしまう女子社員と大学時代飲み会を目的としたサークルに入っていた男性社員、特技はテン上げ(テンション上げの略)、ビールズのメンバーでもある。(因みにビートルズの誤記ではない。シールズを想起させるこのネーミングは禁酒条例に反対して立ち上がった反条例ムーブメントであり、当然のことながら、ビールはアルコール飲料の象徴である。)
    アメリカの禁酒法が悪法の代表例として良く批判されるのは周知の事実であるが、ビールズの名前からも想起されるように、殊に第2次安倍政権以降、日本会議を背景に閣議決定・強行採決を通して国民の声が一切反映されない中で強行されてきた、集団的自衛権、安保法、秘密保護法、共謀罪等々、アーミテージレポートで指令されたことを悉く法制化した悪法の中の悪法が、日本を滅ぼすであろう
    自衛隊が、アメリカの中国封じ込めの第1次防衛ラインを担うべく機能させられているのは、指揮権密約で有事の際は、自衛隊がアメリカの指揮下に入ることが定まっているからのこと。だから、富士演習場では、実戦さながらの共同訓練が日常化されているのであり、カリフォルニアの米軍基地内でもイスラム教徒を敵と想定した実戦仕様の合同演習が行われているのである。ここに、海上自衛隊に先んじられた普通科連隊(通常の軍事用語では歩兵連隊を意味する)が参加しているのだ。
    中国封じ込めに関しては、この数年の自衛隊基地、レーダー施設、ミサイル部隊配備計画を観ても明らかである。つい数日前、中国の一帯一路政策にコミットすると安倍が発言したのは、既に中国封じ込めの為の既成事実が完全に出来上がったとか、99%まで目途が立ったことの証でしかあるまい。今作はそこまで深読みできる作品である。
    残念だったのが、効果音として流される音響が科白が聞き取りにくい程大きい場面が時々あったことだ。

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    2017/12/24 16:00

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