トロイア戦争 公演情報 明治大学シェイクスピアプロジェクト「トロイア戦争」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     謂わずと知れたシェイクスピアが、トロイ戦争を扱った大作だ。これだけの出演者をキチンと纏め上げること自体が大変な作業だが、流石に明治大学シェイクスピアプロジェクト、良く纏めている。

    ネタバレBOX

    出演者は全員、現役の学生さんだから、老け役などは、演ずるのが難しいという点はあるにせよ、皆良く役どころを考えて演じており、清々しい感じが観ている観客にも伝わって良い雰囲気で観劇できる。演出、衣装、舞台美術、照明、音響それら総てが一つになって舞台を盛り上げてゆく。主役二人の純愛が、裏切りに変わる展開や、圧倒的な力の前にただ独り生き抜いてゆかねばならぬ女性の選択をジェンダー的視点から眺めてみるのも面白かろう。また、狂言回しや話の腰を折り、茶化す召し使いたちの言動が、シェイクスピアの抱えていた苦い現実認識を影のようにつかず離れずに伝えてくる点も、これはシェイクスピアの手柄であろうが脚本術として素晴らしい。
     更に、ホメーロスの描いた「イーリアス」での記述と今作のヘクトール対アキレウスの戦いの模様が全く異なる点にも注意を向けたい。今作で、ヘクトールは、倫理的にも非常に気高いトロイ方の英雄として描かれているが、アキレウスは極めて強いが激情的で人格も劣り、欲望に翻弄される俗物であり、同時に一種の卑怯者として描かれている。ここにシェイクスピアの、現実世界に対するアイロニーが込められているように感じるのは自分だけだろうか? 最後のシーンでも嘆きが聴かれるが、今作のうちに何度も聞かれるこの嘆きこそ、トロイの悲劇を通じて描かれた、世の中の強者(即ち人々の欲望に掉さす狡猾と力)支配に対する真っ当な人間の魂が呻くように呟くアイロニーではなかったか? 
    クレシダの豹変を如何に解釈するか? という点と最後に挙げた点2点を良く表現している。

    2

    2017/11/12 15:25

    0

    0

  • くりやまさま
     返事が遅くなって申し訳ありません。
    良い公演でしたね。是非、また伺いたいと存じます。
    今後ともよろしくお願い申し上げると共に、皆さまの
    増々のご活躍、ご成長を祈っております。
                      ハンダラ 拝

    2017/11/18 05:37

    MSP制作部です。ご来場ならびにクチコミの投稿、ありがとうございました。次回もお待ちしております。

    2017/11/14 14:15

このページのQRコードです。

拡大