虎のはなし 公演情報 シアターX(カイ)「虎のはなし」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

     原作はイタリアのノーベル賞作家、ダリオ・フォー、

    ネタバレBOX

    初演は1969年ミステーロ・ブッフォと呼ばれる連作の中の一篇。1989年、天安門事件を受けて改作された作品が、ムベネ・ムワンベネの原作に当たる。今回、宇佐美雅司は、89年版に即して演じている。ムワンベネは89年版に自らの国、マラウィーの政治状況を置き換えて演じている。というのもマラウィの政治的腐敗は、日本のそれのようで、民衆はそれに対して2011年に叛旗を翻した。2011年当時、大統領の独裁は、通貨の暴落、燃料不足、腐敗等数々の暴動要因を抱えていたにも拘わらず、適切な方策が取られなかった為に、遂には大々的な抗議運動が発生したのであった。
    この経緯をユーモアたっぷりに、柔らかく知的で而も愛嬌とセンスのある身体表現、歌、芝居で見せてくれたのが、ムベネ・ムアンベネであった。彼はスイスのベルン大学で演劇を学び、現在もスイスで暮らす。詩人でジャーナリストでもある。決して大きくない(身長は165~6㎝くらいだろうか)が、舞台上では随分大きく見えた。実に才能豊かな好男子である。
    一方、今回3日間の上演で、各回毎に日本からの参加者が各回1人という構成であった。27日がIRO(土山裕也)28日は板津未来29日、宇佐美雅司である。
    フォーの原作に即して演じるのも勿論大切なことではある(初日、2日目は拝見していないので日本勢がどのような作にしたのか分からない)が、出来れば、ムアンベネのように、自国の政治状況を取り入れた作品にしてもらいたかった。それだけの意味はあろう。現在の安倍政権の愚劣極まる「政治」の在り様をみれば、批判しない方がオカシイのだから。

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    2017/11/01 02:37

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