無料公演「ギンノキヲク」&介護福祉フェス! 公演情報 ラビット番長「無料公演「ギンノキヲク」&介護福祉フェス!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    2010年の第1作から2014年のファイナルに至る迄4作がシリーズ化され、何れも池袋演劇大賞をはじめ数々の賞の受賞作である。今回の公演で5作目ということになるが、今回は高齢化社会にあって認知症は最早他人事ではないという時代状況もあるだろうし、実際に家族の誰かが認知症になったなどで、この症状に対する理解が進んだこと。即ち想像力が具体的に働く人々が増えたことにもよるであろうが、何れにせよ最早避けて通れない問題として人々に受け入れられてきたアルツハイマーを、介護する側から描いた作品と言えよう。これには劇団主宰の井保氏が実際に介護に関わってきた経験が大きくものを言っている。語られる各挿話は無論フィクションという形であるが、問題の取り上げ方が一々具体的で気配りも人間的配慮も利いた内容になっている所に今作、今シリーズの凄さが潜んでいよう。(追記2017,10.5 0:33)

    ネタバレBOX


    とりわけ、認知症に対するに大切なことは、被介護者の人としてのプライドを、如何に守り抜きながらケアするか? という点であろう。認知症の最大の特徴は、兎に角忘れるということである。忘れたことを忘れているから、自分が何処かに仕舞った財布が見つからないと、自分自身で仕舞ったことを忘れて泥棒を疑うのである。泥棒は確かに気を付けなければならない問題であるが、泥棒が罪とされる根本の原因はそれを公式に認めてしまえば私有財産を根拠づける論理を否定するからではないか? 言い換えれば、私有財産制を根本原理とする資本主義を否定することになる。原始共産制に於いて泥棒という概念は存在し得ないだろう。まあ、この辺りの論議は置いておくとしても考え始めれば様々な問題提起が行えるハズだ。
    何れにせよ大抵の人は、こんなことまで考えないから、取り敢えず自分が生きて来た社会で当たり前とされていることを自らの原理として採用している。だから、諺で言われているように”人を見たら泥棒と思え”とか、泥棒は犯罪だとかを「根拠」としており、忘れたことを忘れた際に原理を参照しているのだと思われる。
    一方この“泥棒”の例のような概念レベルから被保護者のアイデンティティーが構成されているのであれば、その人のプライドもまたこのレベルの知をベースに構築されているのであり、それを徒に傷つけることは人格否定につながる。この事態は避けねばならない。人が人として生きる権利を否定することは、人倫にもとるからであり、人倫を否定した暁には、福祉その物の根本原理をも否定することになるからである。他人を傷つけずに而も社会にアダプトさせ、ケアする側にも過重な負担を掛けずにことを運ぶ為には、様々なテクニックと類稀な生きて働く想像力、そして弁証法的思考が必要であろう。これらが十全に行える人材は決して多くはあるまい。その解の一つが、今作で具体的に描かれている。その点が観客を惹きつけてやまないのである。

    5

    2017/09/30 16:22

    2

    0

  • 雪島さま
    コメント有難うございます。
    返信が遅くなって申し訳ありません。
    夏休み中、他のことが忙しいのに
    かまけてスペイン語の勉強を全然
    やっていなかったので、新学期が
    始まってから半徹状態の日が結構
    あって、ドタバタしています。秋は、
    講演会だの、アーティストの友人たちの
    個展やらコンサートやらも立て込み、更に
    国連の難民映画祭もあってバタバタしていました。
    自分のハンドルネームはパレスチナの支援をしている
    ところから付けた名ですし、難民問題は放っておけない
    問題なので、結構、こっちの講演会などにも出掛けて
    いるのです。今日も立教でシリア難民支援についての
    講演があったので午後一杯は、そちらに行って、終了後は
    図書館で勉強、帰宅してから食事を摂ってこれから、少し
    読書です。明日は昼1本観劇後、新国立のマンスリープロジェクトで
    ジロドゥの世界についての講演を聴きに行きます。マンスリープロジェクト
    面白いですよ。ネットから申し込みができ、無料で参加できます。
    お互い、切磋琢磨してゆきましょうね。
                            ハンダラ 拝

    2017/10/15 01:14

    ハンダラ様
    この度はご来場誠にありがとうございます!
    細かいところまで観ていただけて嬉しい限りでございます。
    このシリーズならではの物語、感じていただけて何よりです。

    これからも頑張りますのでラビット番長をよろしくお願い致します!!

    2017/10/12 17:07

    えざきさま
     お疲れ様でした。お忙しい中、
    早速のコメント有難うございます。
    自分は、今月頭からは難民映画祭を
    見に行っていて、これはこれで結構
    時間が足りません。返信が遅くなったのは
    この件もあるからです。毎回、国連の欺瞞に
    腹が立つので批判しているのですが、日本に
    対する批判が受け入れられたのか、今回、
    日本政府のプロパガンダと言えるようなものは
    入っていないようです。が、アメリカのプロパガンダは
    いくつもの作品に露骨に入っていました。まあ、国連に
    大して期待はしていなのですが。無いと更に悪い状況に
    陥るのは目に見えているので、肝心な点しか批判していません。
    機会があったら、えざきさんも一度、ご覧になるといいですよ。
    自分が見た作品でお勧めは、「希望のかなた」「Nowhere to Hide」の2本。
    無料ですが、会場に限りがあり、予約抽選は既に終了しています。但し、
    当日、殆どの作品は、上映会場で配られる整理番号を受け取れれば、入場
    可能です。但し1時間以上前から並んで整理券を入手しなければなりません。
    詳しくは、以下でどうぞ。
    http://unhcr.refugeefilm.org/2017/
    追記は近いうちにアップします。では、
    ハンダラ 拝

    2017/10/04 02:52

    えざきさま
     お疲れ様でした。お忙しい中、
    早速のコメント有難うございます。
    自分は、今月頭からは難民映画祭を
    見に行っていて、これはこれで結構
    時間が足りません。返信が遅くなったのは
    この件もあるからです。毎回、国連の欺瞞に
    腹が立つので批判しているのですが、日本に
    対する批判が受け入れられたのか、今回、
    日本政府のプロパガンダと言えるようなものは
    入っていないようです。が、アメリカのプロパガンダは
    いくつもの作品に露骨に入っていました。まあ、国連に
    大して期待はしていなのですが。無いと更に悪い状況に
    陥るのは目に見えているので、肝心な点しか批判していません。
    機会があったら、えざきさんも一度、ご覧になるといいですよ。
    自分が見た作品でお勧めは、「希望のかなた」「Nowhere to Hide」の2本。
    無料ですが、会場に限りがあり、予約抽選は既に終了しています。但し、
    当日、殆どの作品は、上映会場で配られる整理番号を受け取れれば、入場
    可能です。但し1時間以上前から並んで整理券を入手しなければなりません。
    詳しくは、以下でどうぞ。

    2017/10/04 02:43

    ハンダラ様
    いつもありがとうございます!
    今回も観にきていただけて嬉しいです。
    ご感想もありがとうございます!!

    2017/10/01 20:59

このページのQRコードです。

拡大