『ZigZag 〜人生怪盗ノ話〜』 公演情報 劇団コスモル「『ZigZag 〜人生怪盗ノ話〜』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

     脚本は粗い。ちゃんと伏線を敷いて物語を必然的な展開という具合に納得させるような方法を採っていないからである。構成に対する注意を働かせるよりは、メンバー紹介をダンスを交えてやってみたり、言葉の冒険を単に、総統とされる大百足への一種のダジャレとして用いているだけで、そこに独裁やその危険に対するアイロニーや批判がある訳ではない。そのことが、物語を平板なものにしている。話の展開に因縁が絡んでこないので、集約力が弱いなど脚本の弱点が目立った。演出も際立った才能は見せていない。肝心の役者陣の中には可也力を感じさせる者が何人も居たので、その点が救いであった。終盤で、特に作家の言いたかったことは集約され、アーティストの理想の一つ、本当に美しいもの、インセンティブを刺激するものだけを表現すれば良い、とか愛した人を生涯愛し続ける等が、そのモチーフだ。この理想は美しい。驚かされたのは、BGMや開演前に流されている音楽である。エノケンの歌の数々、ツーレロ節迄流れたのはホントに驚かされた。これらの曲想から想像できるかも知れないが、テイストはドサ回りの演劇という感じだ。だが、シナリオはもう少ししっかり練り込んで欲しい。舞台美術は丸窓をいくつも設えたりと江戸時代の粋を背負い込んだ風情を見せているのだが、このセンスに見合った内容ではないのが残念。役者陣の中に良い演技をした人が居たので少しおまけ。

    0

    2017/09/23 07:58

    1

    1

このページのQRコードです。

拡大