つぐない 公演情報 劇団あおきりみかん「つぐない」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    教会の場面が多いので、基本的には中央奥に十字架の掛かった祭壇が設えられたキリスト教教会の趣。裁判所の場面では、一瞬にして奥の十字架の掛かった壁が180°回転して裁判所の壁に変わる。

    ネタバレBOX

     この壁の手前に説教壇、更に手前には、開かれた聖書の置かれた壇。やや、距離を置いて信徒たちが腰かけるベンチが縦3列、横2列に並べられ、中央通路に緋毛氈が敷かれている。中央祭壇脇の壁には明り取りの縦長窓。信徒たちの座るベンチの在る空間の側壁にはステンドグラスが嵌め込まれた窓。
     物語は、罪悪感を持たない姉と、その姉を庇い続けて来た健気な妹の話を主軸に、姉妹の恋は、恋相手男性が重複する。而もこれは仕組まれた男女関係であり、その消長と真実の姿が徐々に明らかになってゆく。
    ずっとこの劇団のシナリオ、演出を担当、女優としても出演してきた鹿目 由紀が、恐らく初めて“地に足のついた”作品として仕上げてきたと思われる今作だが、作家が更なる飛躍を遂げる為には、一、二人称のシナリオに歴史を繰り入れ、三人称の歴史の大きな流れの中に揺蕩うように在りながら、尚キーマンとして歴史に不可避的に関与する主人公を据え、更にはその流れが現在の我々の生活や生き方にも通底するような世界を、女性ならではの世界観で描けるようになる必要があろう。そうなった時、作家としての彼女も、劇団としてのあおきりみかんも普遍性を持った存在として歴史に刻まれるであろう。このような骨太の構造を勉強するには新劇研究をしてみるのが良いかも知れない。彼女の才能を以てすれば、必ずや大きな発見があるであろう。

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    2017/08/09 05:33

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