満足度★★★★★
鑑賞日2017/08/06 (日) 14:00
座席1階
ピリッと心を突く社会派舞台を堪能させてくれる劇団チョコレートケーキの古川健さんに、老舗劇団青年座が声を掛けた。化学反応が起きた。青年座のテイストとは違う、新たなステージに融合したと言っていい。
テンポよく、分かりやすく進む舞台は、第二次大戦の歴史に疎くても入り込んでゆける。歴史を庶民の目で見ているからだ。そして、何よりも、庶民が歴史の流れを作っていることを教えてくれる。
知らなかった、ナチスにだまされた、と語らせている。だまされた原因は無関心であり思考停止であり、想像力の欠如だ。青年座の黒岩亮さんの演出も、うまく客席をリードしている。
硬派なタイトルはとっつきにくいかと思ったが、客席には若い人が多かった。新劇の老舗が化学反応で新たな道を持った、それを目撃した舞台だった。青年座の役者たちも見事に反応してみせた。