旗を高く掲げよ 公演情報 旗を高く掲げよ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/08/06 (日) 14:00

    座席1階

    ピリッと心を突く社会派舞台を堪能させてくれる劇団チョコレートケーキの古川健さんに、老舗劇団青年座が声を掛けた。化学反応が起きた。青年座のテイストとは違う、新たなステージに融合したと言っていい。
    テンポよく、分かりやすく進む舞台は、第二次大戦の歴史に疎くても入り込んでゆける。歴史を庶民の目で見ているからだ。そして、何よりも、庶民が歴史の流れを作っていることを教えてくれる。
    知らなかった、ナチスにだまされた、と語らせている。だまされた原因は無関心であり思考停止であり、想像力の欠如だ。青年座の黒岩亮さんの演出も、うまく客席をリードしている。
    硬派なタイトルはとっつきにくいかと思ったが、客席には若い人が多かった。新劇の老舗が化学反応で新たな道を持った、それを目撃した舞台だった。青年座の役者たちも見事に反応してみせた。

    ネタバレBOX

    ラジオ、じゃがいも、たんぽぽ。小道具が効いている。
    どうでもいいことかもしれないが、ラストの前、「えっ、生き延びたの?」という場面がある。劇場型がお好きな方は少ししらけるかも。
  • 全体主義、多様性を認めない社会、雰囲気に流され自分でものを考えずに盲目的になること、全て最近の世の中に対するメッセージと思いましたが、なんだかわかりきった話に思え、退屈に感じました。
    が、こんなの馬鹿げてる、自分はそんな風にはならないと思ってる自分こそ実際はそうなってしまうのかもしれない。
    気をつけたいです。
    この作品が物足りなかったのは、なぜあの家族がナチスに傾倒していったかがあまり感じられなかったからかもしれない。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/08/01 (火)

    中盤まで何も考えず、ドイツ軍が絶好調の時代の話か~くらいにしか感じず、後半に来てふと「??」これって数十年前の日本のこと?と思うようになり、自分の中で妻のレテーナがすごくすごく嫌な人になっていって、そして夫も… なんなの!!?と腹立たしくなり。でもそんな時代を繰り返すのが人間なのね。生きていくってこういうこと!?と投げかけられた作品でした。

  • 満足度★★★★

    現在、観るにふさわしい観劇体験でした。真面目で平凡な庶民が国家主義に傾倒してゆくのがよく描かれていたと感じました。
    舞台はドイツのベルリンでしたが、同じ時代の日本のことも思い浮かべ、そして今の、と。
    なんでも人任せにして、後で騙された!と部外者のふりをしないためには...などと考えながらの帰り道でした。

  • 満足度★★★★

    コメントするのが難しい芝居である。
    まず、企画がいい。時宜を得た、と言う言葉がぴったりの内容である。ナチが隆盛となり、滅びるまでの約十年のドイツベルリンの庶民史が素材で、政治も政治なら庶民も庶民、と言う話である。もちろんそういうことに警鐘を鳴らすのは新劇団の役目ではあろうが、なんとか教条的なところを抜け出そうという意欲のある公演である。言うまでもないが、この話、いまの日本人は向き合わなければならない切実な問題をはらんでいる。。
    だが、芝居の中身にはいささか苦しいところがある。日本の戦時中の話は山ほど見ているわけで、それでは情緒に流れて問題の焦点が見えにくくなるということで、ベルリンの話にしたのであろうが、ドイツの庶民の話だから、当時のドイツ国民でなければ委細のわからぬ設定はとれない。夫婦に老父、娘と言う平凡な家族設定も、味方、敵の隣人のキャラクター設定など殆ど類型的である。エピソード自体も、これだけドイツネタの映画が入ってきている今となってはおなじみのものも多い。それでもなお、二時間を面白く見られるのだから、この作者・只者ではない。しかし、突っ込めば、観客にとってはやはり、実感的には隔靴掻痒で、俳優たちも、地でやっていいのか、ドイツ人でやるのか、戸惑っている。こういう公演だと一人くらいダントツに目立つ役者がいるものだが、それもいない。
    ナチを素材にすると対立項がテーマ明確で芝居が組みやすくなる。かつて三谷幸喜もナチ物で「国民の映画」や「ホロヴィッツとの対話」を書いて、これも面白かったが、こちらは日本の新劇独自の人物への視点があった。
    今回の「旗を高く掲げよ」は両国に共通する問題に抽象的に迫ろうとしたのはいいのだが、問題劇にとどまったのは、やむを得ないというべきか。青年座劇場はほぼ二百人余、超満員。こういう問題系新劇が入るのは何はともあれめでたい。

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/07/28 (金) 19:00

    座席1階A列6番

    今、日本人が新たにナチスドイツ下の庶民の生活を描くことには、時代の要請があるのだと思う。彼らのような悔恨を抱かないために。
    脚本家・演出家の時代に対する矜持を感じさせる力作。

    ネタバレBOX

    結局、自害しなかったハロルドと妻レナーテ、彼らの信条というのはそんなに儚いものだったのか。娘が生きていることを祈っている、私たちはナチスに騙されたと言い切る厚顔さには、悔恨の情は、微塵も見られない。彼らが父親と娘を殺したのではないか。
    抗うことをせず、自らの判断に頼らず、多くの友人たちの助言に耳を貸すことなく(むしろ、彼、彼女らを蔑んでいるかと思われる)、自己正当化を図る。醜悪だ。もちろん、私自身が同じ境遇だとして、声を上げて時代の風潮に抵抗できたかと言えば、それはできまい。
    しかし、自らの間違いを認識し反省できる人間ではありたい。
    ナチスの次には、嬉々として社会主義の受容にいそしむ2人を見ていると、ユダヤ人オットーの懸命な(あるいは賢明な)生き方が眩しく見える。
    この夫婦が長命にして、ベルリンの壁崩壊を観た時、彼らが国家社会主義・ナチスが悪い、と罵ったように、ソビエト社会主義が悪いと、また罵るのだろうか。

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