満足度★★★★
初演とはまた別の味わい
07年4月の初演を観ていたので、入場するなりしわくちゃにした古紙に埋まった舞台が目に入って感歎。作品テーマを端的に示すと同時に、その古紙がいろんなものに見えるので複数の場所を表現できるワケ。
また、初演といえば結末がその時のダイナミックでいささかハードなものから静かに訴えかけるようなスタイルに変更されており、ちょうど X-QUEST の『エロドラマ』再演時(03年)のハードバージョン、ソフトバージョンのような感覚。
初演での照明による龍の表現や嵐の中の飛行シーンが見られなかったのは残念ではあれ、若干の切なさも伴う穏やかな幕切れはまた別の味わいがあり、これはこれでテーマを強く打ち出しているような気がする。