-平成緊縛官能奇譚-『血花血縄』 公演情報 吉野翼企画「-平成緊縛官能奇譚-『血花血縄』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2017/06/22 (木)

    座席1階1列

    柴奏花、高畑亜実といった月蝕歌劇団でおなじみの女優さんが出ていたので、緊縛入りの官能痛快娯楽活劇的な舞台を予想していたのですが、かなりシリアスなお芝居です。
    「官能」「緊縛」という言葉に期待して観に行くと、ちょっと肩透かしをくらいます。もちろん、北條華生さんの艶やかな肢体に縄が食い込み、鞭が舞いますし、セリフや小道具はかなりエロなことは認めますが、実はこの2つの言葉、この舞台を語る上では、かなり重要なキーワードになっています。
    説明書きの「―あたしはあの女が大嫌い。・・・・」の文章、何のこっちゃと思われて、読み飛ばしておりましたが、舞台を観るとよく解ります。
    独唱、演奏、コーラスを交え、ろうそくやマッチ、提灯のほのぐらい灯りとピンポイントのライティングの絶妙なバランスが、効果的に舞台を演出します。この点では、エンタメとしても高得点です。
    そして、皆さん演技に淀みがありません。拍手!

    とてつもなく長い年月を経た、学校を休んでしまった女子学生の一晩の物語。
    かなり、「女性」という存在を(作品が作られた時代的な縛りはあれ)真摯に問うた舞台です。

    ネタバレBOX

    ボーボアールが言った「女は女として生まれてくるのではなく、女になるのである」というセリフが思い出される物語です。そうか、岸田理生が生きていた時代って、まだ家や男性に支配された社会における女性の生き方というのが、真正面に取り組まれる時代だったのですね。
    舞台中央のやたらと縄を束ねた組み立てポール、あれが家だったのか。むしろ、あれを使って、緊縛とあるだけにあれやれやをするのかと、最初変な期待をしてしまった。(苦笑)

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    2017/06/22 16:49

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