るみ子のお酒~こだわり夫婦の一滴/満寿泉〜岩瀬を繋ぐ男 公演情報 Unit Blueju「るみ子のお酒~こだわり夫婦の一滴/満寿泉〜岩瀬を繋ぐ男」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     酒にまつわる話2編。休憩あり、試飲もある。(追記2017.6.20)2編合わせての評価は花四つ☆。

    ネタバレBOX

    「満寿泉~東岩瀬を繋ぐ男~」
    裏日本の地方都市から更に奥に入った過疎化に見舞われた集落の造り酒屋に生まれた現社長の八面六臂な活躍に振り回されながらも、その発想の壮大、忌憚の無い物言い、その発言の底にある真の優しさ、ヴィジョンの明確さとブレの無さから他の人々のインセンティブと真の能力を引き出し、常に前向きに進んでゆくパワーと大らかさが作り出す人間の絆の靭さと、本気を出すことで得られる可能性の大きさを示して圧巻。モデルになった社長さんは作品に描かれたキャラクターのような人だと言う。実際にお会いしたい人物である。
     何より、ものを作り出す人間の心を深く理解し、為すべきことを明確に見極めて、一所懸命に進んでゆくところが素晴らしい。5つ☆
    「るみ子の酒」
     先代が脳梗塞で倒れ、造り酒屋を継ぐことになったるみ子、旦那の理解とママ友、倒れはしたものの、大した後遺症も残らずに済んだ父、優秀な杜氏らに助けられどうにか3年を過ごしたが、自分で納得のゆく酒が造りたいという心のせいで、経営はじり貧、このまま続ければ一家心中も考えねばならない窮地。一世一代の賭けに出たが、周りの多くの人々の助けもあり、一旦窮地を脱することはできたものの、品質のみで売れるのではなく、洒落たラベルや、一躍有名になったことによる集客効果で売れるようになったことで杜氏以下、酒蔵を支えてきてくれた人々が一斉に辞めた。
    こちらは、酒造りとしてはトーシローだった夫婦が、これでもか、と言うほどの試練を越えて独自の味わいを持つ純米酒を作り上げてゆく話だが、酒のテイストについての面白さでは、試飲させて頂いた「るみ子の酒」は格別であった。然し、演劇としてはリアリティーは感じるものの、飛躍の度合いがやはりリアルで演劇の持つ魔法のレベルに届いていたとは思えなかった。それで4つ☆であるが、真面目に酒造りに取り組み、出来上がった酒は見事なものであった。また、飲みたい!

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    2017/06/17 07:46

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