いつまでの森 公演情報 劇団演奏舞台「いつまでの森」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

     板上正面には、スナックカウンターが設えられ、ドイツ自動車のナンバープレート等がカウンターの壁面などに貼られている。カウンター手前には、ボックス席。劇が進行する場としてはオーソドックスな作りである。

    ネタバレBOX

    下手奥には、ちょっと大きなラジカセがあり、ドリーム何とかという大企業のプロパガンダが開演前から流れている。因みにこのスナックは、いつまでの森に在ったのだが、立ち退きを迫られて現在の場所に引っ越してきた。立ち退きの理由は自然そのものである森を守り同時にエネルギーを自然を守ることによってこそ得るということを壮大なプロジェクトとして打ち上げているドリーム何チャラの計画推進の為であった。巨大企業の反対しにくい論理の前に、森の住民のうち多くの者が他の場所に移っていった。このスナックに集まるのは移住を拒否した人々である。
     養蜂家、森の花の活性的利用によって人気の高かったフラワーデザイナー、このスナックを陰ながら応援しているママの同級生、そしてこの地に”いつまで”を探しに来た研究者等々の生活の変化を通し、また研究者の齎したデータによって、ドリーム何チャラの欺瞞に満ち満ちた研究と制御できない技術を人間世界に取り込んだことの弊害が徐々に明らかになってくる。具体的に、自分が解釈したのは、F1人災で誰の目にも明らかになった核問題であるが、別に核に限定する必要は無論ない。ただ、作り出したヒトが、制御できない技術という化け物に対して、我々は何をどのように考え、対処すべきであるのか? このF1人災以来最も喫緊の課題を蔑にし続けるのみならず、被害の実態を矮小化して報じる政治屋や、その論理を裏付けるのに力を貸す下司インテリ、政治屋に対する批判精神を失った意味の無いマス塵、利害に敏いだけの官僚と言う名の糞野郎ども、これらの下司を利害によって操る巨大企業の傲然たる嘘に対し、真実が偶に命懸けで提起されようともこれらの下司の一部でさえ討ち取ることのできない鵺のような社会に対して、我らは有効なアンチを提起できているのか? を真っ向から問うた意欲作。
     願わくば、更に文学的表現迄昇華して欲しかった。

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    2017/04/15 07:42

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