SUBLIMATION-水の記憶- 公演情報 護送撃団方式「SUBLIMATION-水の記憶-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    香港に在った九龍城塞は僅か3ヘクタールの土地に推定5万人の人間が住んで居たとされる巨大な建築蝟集体である。

    ネタバレBOX

    土地が狭い分、上へ延びて行った。結果、至る所継ぎ接ぎの蝟集体になった訳だが、独特の水配給システムが構築され、上層階へも給水が為されていた。ジャンボジェット機が、この蝟集体の真上を低空で通過し、水は、温度の変化に応じ固体の氷、液体の水、気体の蒸気と三体に変容するが、タイトルの昇華といい、スチームパンクに絡めた物語の展開といいジェット機の騒音といい、曖昧化する要素の中にある法則性を見付けることで、本筋を見つけ出すことは容易いのだが、狭いエリアに非合法、権力も容易に立ち入れない治外法権的エリアでもあったこの地域でも、治安維持や外敵んい対する防御の必要から自治組織が生まれてくるのは必然であったし、その中で恋が生まれることもまた必然であった。そこに、インフラ基盤の王とも言える水が絡んでくる。当然、地域で暮らす人々の心象変化や口コミによる情報伝達中に仕掛けられた罠などによる情報操作もある。為政者サイドからの分断、破壊工作も警戒レベルを超えて喫緊の問題になっている。これらの諸要素をどこか廃工場を思わせるような混沌たる舞台美術が見事に形象化している。小屋の形状から、座る位置によって物語の見え方がかなり変わるだろう。この点も押さえて早目に席を確保することをお勧めする。

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    2017/02/18 16:36

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