さらば、ブラックローズ 公演情報 ライオン・パーマ「さらば、ブラックローズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/02/04 (土)

    2時間20分という長さを感じさせない舞台だった。
    登場人物のエピソードが丁寧で一人ひとりの背景が浮かび上がる。
    笑いのセンスが良いので小さな台詞に客席が湧く。
    ライオンパーマらしい心温まる展開、そして気の利いたラストに拍手。
    プロの変態、君こそヒーローだ!



    ネタバレBOX

    “音の出る電子機器への注意”に、ここまで力を入れる劇団を私はほかに知らない。
    今や一つの目玉となった感があり、早めに行って観るべきものとなっている…(?)

    各地を旅する劇団と、常にその劇団と一緒に旅をして夜オープンする
    移動SMクラブ、彼らに共通するのは女王ブラックローズ。
    だが彼女の鞭には哀しい秘密が隠されていた。
    劇団のメンバー、地元住民の参加者、地元の刑事、詐欺親娘、
    そしてプロの変態とその家族が織りなす人生の綾と意外な結末!

    青春を謳歌し損ねた父(橋本一郎)と息子(井坂光佑)の
    不器用な変化が大変良かった。
    SMクラブのマスクを被った父親がヒーローになっていくプロセスの可笑しさ、
    また母親(比嘉建子)の見事なアメリカンポリスに大笑いした。

    ヤな奴だと思った刑事(樺沢崇)が、詐欺母娘にかける思いやりは感動的。
    人生のやり直しを賭けた娘(あや)の「イー!」は最高だった。
    ラジカセを持ち歩いてピーポーパーポーを鳴らす、
    クールな刑事(北島洋志)のキャラも大変良かった。
    こういうきらりと光るキャラ設定がライオンパーマの面白いところ。

    かつての変身ヒーロー俳優を演じた岩田智世さんがドハマリで存在感抜群。
    それに絡む中堅俳優役の渡辺望さんが、リアルな焦燥感を見せて
    普遍的な“世代交代”の厳しさを体現している。
    ブラックローズ役の絹川麗さんの細くてしなやかな身体が説得力ありまくり。

    プロの変態が考えた、ブラックローズの人生を変えるための小道具が素晴らしい。
    ライオンパーマの優しさと温かさがあふれた結末だった。
    相変わらず加藤岳仁さんは良い台詞を書くが、
    ご自分がそれをしゃべる時は滑舌が甘く、滑りやすいところが安倍首相に似ている。
    二人とも、もはやこれが“芸”になっているのかもしれないが。

    もう少しエピソードを整理してコンパクトにしても良いと思う。
    若干”全部のっけ感”を覚える。

    ライオンパーマ、次は8月に下北沢へ来るという。
    近くて嬉しいな。
    “携帯劇場”も楽しみにしていますよ\(^o^)/

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    2017/02/04 20:54

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