ホテル・ミラクル4 公演情報 feblaboプロデュース「ホテル・ミラクル4」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    花四つ星
    危ないシチュエーションや、際どいすれ違いを巧みに描いていて楽しめる。

    ネタバレBOX

     「ホンバンの前に」「メキシコ」「楽しい家族計画」「後戻り出来ない女」「クリーブランド」という作品構成だ。「ホンバンの前に」は、Wミーニングで、にゃにと劇の本番とを掛けてあり、実質前説なのだが、完全に芝居仕立てになっていて粋な悪戯に思わず笑ってしまう。見事なセンスである。
     舞台装置は変わらない。舞台を逆くの字で観客席が囲う形になっていてWベッド、二段のサイドテーブル。一段目にはティッシュ。二段目には真っ赤な電話機とコンドームの入ったクリアケース、ミニスタンド。その横には冷蔵庫。部屋の奥には、赤いソファ。出入り口の横にシャワールーム。そしてベッドの反対側の壁際にラウンドテーブルと椅子。テーブル上には灰皿が置いてある。ラブホの基本セットが揃っていて、無論、カラオケも使える。
     「メキシコ」は、彼に飽きられて振られた女が、逆上して彼を刺し殺し、街中で逆ナンした男をホテルに連れ込むが、彼は人が良過ぎて、彼女と寝ることを拒否、挙句財布から金を抜くことを示唆して彼女の逃亡を助ける話。メキシコは良くアメリカ映画に出てきて、国境を越えてしまえば、捜査権が及ばないので自由の身、というアレである。
    「家族計画」息子の宿題にパパのお仕事、というテーゼを出されたラブホオーナーが、他の人々の楽しく過ごせるような仕事をしているという印象を持たせるべく、ラブホ改修の見積もりを一級建築士に依頼。建築士は内寸を取る為、ホテルにやってきたが。様々な提案の中に夫婦のセックス頻度やセックスレスの問題などが入り込んで際どい会話の連発で楽しませてくれる。無論、時代の移り変わりの中で、今までにも改装はしてきたのだが、そんなホテル史の一面も出てきて楽しめる。
    「後戻り出来ない女」は、上司の仕事に対する厳しいプレッシャーから逃れる為に出会い系で憂さを晴らしていた若手社員が、出会い系で連絡を取り合い、ラブホで合流することになったのだが、やって来たのは、当の上司。20歳ほども年の違う部下と、ヤバイ状況であればこそ、関係して秘密を保持したい上司と、何としても逃げ出したい部下との葛藤が描かれる。追い詰められた部下は直属の上司に連絡、話は増々こんがらがってゆく。
    「クリーブランド」は、明日にも結婚という情況の女が心を寄せている男を誘って飲みに行き泥酔してホテルに泊まる話だが、女の入れ込み具合が真剣で哀れを誘う。彼も良い奴で、好かれるのも当然というキャラではあるのだが、彼には彼女を抱いてやれない事情があった。人生の皮肉を表して素敵な作品。

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    2016/10/30 16:19

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