同想会 公演情報 劇団ヨロタミ「同想会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    抱かれて泣くには余りに年老いた
     無名女流詩人の書いた一行である。だが、余りに厳しい。

    ネタバレBOX


    自分は、切ない心が好みである。現実に踏み荒らされた悲惨は、自分の好みにするには余りにも残酷で耐え難い。その点、今作に登場する恭子の切なさは堪らない魅力である。無論、恭子と真に向き合う慎一にも同じレベルの重さがある。この両役を演じた役者2人の演技が、自分にはもっともインパクトのあるものであった。実際、恭子役にも慎一役にも非常に大きな存在感と心の痛さを感じさせる切なさがあった。恭子の恭の字には、礼儀をもってへりくだる、とか礼儀正しく慎むといった意味がある。慎一の慎の字にも慎む、念を入れる、欠け目無く気を配るなどの意味が内包されているのは無論のことである。
     さて、今作シナリオでは、D6と仇名される6人組を唯一馬鹿にせず、キチンと向き合ってくれたのは学級委員の恭子。D6の中で親の虐待から施設に預けられそこで育った慎一。
     だが、恭子は実父に中学時代からレイプされていた。この悩みを相談された川村は、結果的に恭子と関係を持つが、二人の関係を示唆するデータを見せられた川村は年度途中に他校へ移る選択をした。その後を引き受けたのが慎一である。が、彼が自身の命を的にした恋にも作者は醒めた目を忘れていない。何となれば慎一の苗字を浅井としているからである。だが、これは恐らく作者の本音ではあるまい。観客の意地の悪い疑義に対して煙幕を張っていると自分は考える。
     延々と続く舞台は、自分にとっては、この2人を巡る、置き去りにされた者らのエクスキューズと取れた。作家の狙いもそこにあろう。主体的に行動する者をアリバイ的(・・;・・)に評価する取り巻きの持つ欺瞞性をこそ、告発する作品であるのだ。

    3

    2016/05/17 02:44

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  • はいっ!

    2016/05/31 01:19

    のりんごさま
     コメントありがとうございます。
    数年の間に多くの舞台を拝見し
    ようやく自分の経験に立って多少
    生意気なことを自分の言葉で言える
    ようになった気がします。自分はまだまだ
    未熟ではありますが、お互い精進して
    参りましょう。こちらこそ、今後とも
    よろしくお願いします。
                  ハンダラ 拝

    2016/05/19 01:12

    ハンダラさん
    ご来場&観てきた!コメントありがとございます。
    高評価頂けたこと、本当に嬉しいです!
    そして役名の由来についても、そこまで読み解かれるとは流石です!!
    もっともっと精進しますので、これからも応援宜しくお願い致しますm(_ _)m

    2016/05/17 14:32

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