カゲキ・浅草カルメン 公演情報 劇団ドガドガプラス「カゲキ・浅草カルメン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    浅草 弾左衛門の宴
     幕末の江戸、人外の頭、浅草 弾左衛門の支配地で繰り広げられる無礼講の宴、

    ネタバレBOX

    供されるのは士農工商には禁じられた獣肉、大蒜、韮、葱、生姜など禁制の野菜を用いた料理。当然、酒も振る舞われる。語られるのは、当時鎖国の価値観では禁じられていた海外の情勢・事情など禁制の情報である。集まったのは、世の中では変わり者、反逆者、余計者と看做されるような人々。即ち体制の枠になど収まり切らない自由な人々であった。勝 海舟の父・小吉、海舟、水戸藩出身の尊王攘夷派、干 愚鈍、そして河竹 黙阿弥と後に称される劇作家等々。三人は義兄弟の契りを結ぶが、その内実がちょっと変わっていると同時に洒落ている。酒では無く、時代の空気を呑んだのである。もし誓いを反故にしなければならぬ場合、誓った空気を吐き出してしまえばよい、という遊行の精神をも取り入れながら人倫の掟にのみ従う誓いであった。
    かくして各々は、各々の道を選ぶ。愚鈍は、カルメンにアヘンを盛られて彼女に魅入られてゆき、黙阿弥は、商家のぼんぼんから人外を仲間とする河原者になり、勝は蘭学を学んで時代の荒波を乗り切る先兵となった。愚鈍は、結果、未来を見通そうとする意志を失って走り、意味も無く散ったが、時代の動く時には悪が一瞬仇花を咲かせることを予言し予言に殉じた。勝は、先見の明とその聡明さによって黒船来航以降その本領を発揮する。そして黙阿弥は戯作者となって現代にもその名を作品と共に残した。

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    2016/02/22 23:17

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  • 望月さま
    長谷川 明です。
    遅くなって申し訳ありませんでしたが、
    公共空間Xへ、現行送付しておきました。
    近いうちに掲載されると思います。
    明日、もう一度拝見しに参ります。
                        机下

    2016/02/28 16:39

     望月さんのシナリオは、華やかさの中に、沈香のように深く焚き込められた歴史や人倫の必然が畳み込まれていてとても好みです。今作でも義兄弟三人が、その各部分を担い生きていった点で、その有様がちゃんと人間の肉体に宿っています。海舟のお父さん、小吉についても、やはり偉い人だったのだな、と作品を拝見しながら感じていました。湿地帯であった浅草を中心としたエリアから、海舟は咸臨丸でアメリカにわたり、行きは、操船を習いながら渡航したのですが、帰りは日本人だけで操船して日本に帰りついたと指導した人々が証言していたように覚えます。海舟は、本当に先見の明があり、実践できた人で、弱者に対して優しいところが大好きな人物です。弱者を守る為に、力のある者には、まっとうなことをキチンと言った人でもありますし。
     今回、コリッチのレビューは少し短めにしてありますが、公共空間Xというサイトに長い文章をアップするのに、他で発表していることと重ならないようにという注文があるので、短めにしてありますが、一両日中に原稿を書き上げて送稿するつもりです。送稿後、あちらの編集者がレイアウトなどをしてからアップすることになりますが、送稿した時点でその旨ご連絡します。では、また。
                                                   長谷川 明 拝
     

    2016/02/23 16:28

    勝海舟の本にも、弾左衛門が出てきた。黙阿弥の本にも、弾左衛門が出てきた。浅草で親分と言われていた勝小吉=夢酔が弾左衛門と関係がなかったはずもなく、隅田川をはさんだ一帯は、外海への出口でもあった。勝麟太郎が海舟という雅号を持ったのも、未来の先取りで
    僕としてはその辺に光明を得て世界が作れたカルメンでした。

    2016/02/23 15:01

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