プラスチックレモン 公演情報 アマヤドリ「プラスチックレモン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    20回公演の孤独。
    いよいよ、ひょっとこ乱舞がわからなくなってきたな、と思う。

    雰囲気としては踊らなかった『水』に似ているのだけど、もっと静謐だ。
    静謐というか空虚だ。その空間が途方もない宇宙に見えるような空虚だ。
    恐らく狙い通りだと思うのだけど、会話やモノローグひとつをとっても、
    乾いて冷たい風が通り抜けるような感じを覚える。
    間違いなくそこに熱さはない。

    一種の昂揚感が舞台を支配していたひょっとこには、もう会えないのか。
    ひょっとこで笑わなくなって久しく、簡単に胸躍らなくなって久しく、
    でも、後から思い出すと素晴らしかった気がするのも事実だ。
    やっぱりひょっとことしての延長線にあるんだとは思う、今作でも。

    第20回公演に観られたのは、祝祭ではなかった。それだけは言える。
    こまごめは、今公演を「20回公演の孤独」と題してみた。
    広田で素敵な宇宙じゃないか。それでいいじゃん。

    ……うまいこと言えないな。それくらい戸惑ってはいる。

    ネタバレBOX

    失礼を承知で、劇団員2人について申し上げる。

    笠井里美が素晴らしく素晴らしかった。間違いなく揺るぎなくヒロインだった。
    いずれ、そういったポジションに来るだろう来るだろうと思っていたのだが、
    たびたび残念な思いをさせられてきた(よく喉をつぶしておられる)。
    今回、いよいよ重要な役所を堂々勤めておられて、感慨無量(勝手に)。
    ポスト伊東沙保、なんて言ったら怒られるかも知れないが、
    少し前のひょっとこにおける伊東沙保のような役割になったのではないか。

    今回、斎藤陽介に注目させられた。
    いまいちブレを感じて安心感がなかった彼に、正直安心させられた。
    彼の魅力である“軽みのある真面目さ”が、体言できたように思う。

    この2人、これからのひょっとこ乱舞のキーパーソンであり、
    劇団の未来を背負う存在であると断言したい。
    要注目。

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    2008/11/04 20:35

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