戯曲試食会 『タバコの害について』 公演情報 劇団夢現舎「戯曲試食会 『タバコの害について』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    行灯パブろびっち
    戯曲単体にとどまらず、客席のつくり、客入れ時の歌、構成など
    スタヂオに一歩足を踏み入れた時から大変楽しい。
    歌は素敵だし席は落ち着くし、飲めないくせにうっかりビールなど
    頼んでしまいました(笑)
    まずチェーホフを紹介する前半が良く出来ていて面白かった。
    そして「タバコの害について」ひとり芝居。
    “講演会なのにひたすら愚痴る初老の男“が妙に可笑しい、意欲作。
    チェーホフさん、大変だったんだね(^_^;)

    ネタバレBOX

    客席に足を踏み入れると、コーヒーテーブル程の小さな机がいくつか置かれ
    一つの机にクッション付きの椅子が1脚か2脚設置されている。
    上手に女性がひとり(三浦せつこさん)座って、歌っている。
    綺麗な声でオリジナルだろうか、ちょっとシャンソンのような歌をうたっている。
    息継ぎの音が聞こえず、ことばがきれいな、私の大好きなタイプ。
    隅っこに座ると、飲み物を聞かれてつい「小さいビール」と言ってしまった。
    静かなライブハウスみたいな雰囲気で超リラックス。
    サービスのおつまみも来て、観客はワインやソフトドリンクを飲みながら開演を待つ。

    暗転の後カラスの鳴き声、明転すると黒いミヤマガラス(高橋正樹)登場。
    カラスをあざ笑う人間(室賀竜也)を逆にやり込める、というチェーホフの短編だ。
    その後、ロシアの地図や年表を使ってチェーホフの人となりを紹介していくのだが、
    解説する高橋正樹さんが巧みでとても面白かった。
    代表作「かもめ」の、チェーホフ自身が投影されているというトリゴーリンと
    ニーナの場面なども、直前の解説があったのでとても興味深く観た。

    「タバコの害について」は、講演会の演台に立ちながら
    “ひたすら33年間の結婚生活を愚痴る男”を描くひとり芝居である。
    益田喜晴さんは、楽屋の女房を窺いつつ、女房さえいなければ…と
    思いのたけを聴衆に愚痴る男を緩急つけた台詞で演じる。
    リアルさより、うじうじと同じところを行ったり来たりする情けない男を
    面白おかしく誇張している感じ。

    “何も起こらない”芝居は、“変われない人間”そのものを揶揄している。
    そんなに嫌なら反撃すればいいのに、離婚すればいいじゃん、と思うような人生を
    人は33年間も受け入れて生きるのだ。
    ドラマや本になるような劇的な変化など起こりはしない、凡人には。
    チェーホフって基本的に成功者を信用していないのだと思う。
    そんなの成功じゃない、そんなの幸せじゃない、そんなの本物じゃない…。
    いつもそう思いながら書いたり結婚したりしたんだろうなあ。

    当日パンフがとても面白く、会場にある写真などと共に試食の上で大変役に立つ。
    「行灯パブろびっち」の名前からして洒落っ気があり楽しい。
    夢現舎の公演は、演劇に対する考え方がストレートに伝わっていつも楽しみだが
    今年最初の観劇が「パブろびっち」でラッキーでした。
    おもてなし、ありがとう\(^o^)/


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    2016/01/08 10:06

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  • お忙しい中、今年の芝居初めを有難うございました。
    此方こそ光栄です。
    今年初めてが、劇団夢現舎ですからもう今年は間違いありません!
    但し、何が間違い無いかは、自己責任でお願いします。
    本年もどうぞよろしくお願い致します。

    劇団夢現舎一同

    2016/01/08 14:31

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