ほたえな 胸中が猿 公演情報 グワィニャオン「ほたえな 胸中が猿」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    当に猿
     龍馬・慎太郎殺害の下手人については諸説あって何れが真実或いは事実であるか見極めるのは極めて難しい。無論当時の日本の国力で頭角を現したと雖も脱藩下級氏族の龍馬が、あの若さで如何に活動資金を得ていたか、という点で武器商人、グラバーなどを絡ませることも可能ではあったろうが、それでは演劇的に話が大きくなり過ぎ、一定の尺には収まらない。(追記2015.12.23)

    ネタバレBOX

     そこで暗殺犯として、新撰組、見回り組、薩摩藩関与説、慎太郎による自作自演説などまで取り入れて諸説あることを紹介することで、世相の複雑さを炙りだすような仕掛けが施されている。自分の感性が感じるのは、見回り組の怪しさである。手練ればかりのハズが、襲撃時に声を挙げたとすれば、それは強烈なパトスを内包していたからである。そして、そのようなパトスは現在でもこの国の公安に引き継がれているパトスと同質のものだ。因に戦国以降に生き残ったこの国の忍法集団の代表は、伊賀と甲賀であるが、何故彼らはその技術を生かしながら生き残れたのか? 支配層である武士は彼らの技術を利用もしたが、恐れてもいたのに。答えは、幕藩体制の中に彼らの組織を取り入れたからである。伊賀はお庭番として、 甲賀は同心として。現在でも犯人逮捕の際に用いられる捕縛術は、元来甲賀の手法であるのはその為だ。そして被差別者であった彼らのメンタリティーは、かなり大きな歪を持っているのも事実だろう。とすれば、差別の酷かった土佐藩の下級士族でしかなかった龍馬に西洋の最新式ピストルで仲間を撃たれた見回り組の怒りは(そのパセティックなメンタリティーを鎮める為には)ファナティックにそのメンタリティーを移行した上での殺害しかないではないか? 未来への展望など彼らには及びもつかない。その意味で今作で指摘される通り、猿レベルなのである。実際、日本の公安警察の頭の悪さと内部犯罪の隠蔽体質は官僚共のそれと同質であり、唾棄すべきものであるのは言うを俟たない。こんな連中と下司政治屋、政商、金融、司法、メディア、ゼネコン、軍需産業などの企業、御用学者にヤクザまでが徒党を組んでこの「国」、人民を宗主国に捧げているのだ! この国の腐敗は千年以上揺るぎのないものなのである。そこん所、腹括って考えねえとにゃ。

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    2015/12/20 11:59

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  • じゅんこさんへ
     心に残るいい舞台でした。
    ベスト10候補作品の一つだったのですが、
    自分は、現在の政治状況との関連を重く
    見る傾向があり、2015自己ベスト10には
    入れませんでしたが、いい舞台であることに
    間違いはありません。
     次は勝海舟辺りを描いていただけると
    有り難いですね。戦前、戦中を通して、目先の
    ことしか見ないバカどもが勝を目の敵にしたせいか
    勝ほどの人の評価が大衆レベルにあって龍馬以下と
    いうのも解せません。
                            ハンダラ 拝

    2016/01/11 01:58

    ハンダラ様、コメントありがとうございます。
    ご来場いただき、ありがとうございました。

    そして、明けましておめでとうございます。お礼が遅くなり失礼いたしました。

    追記での長文、誠にありがとうございます。
    この作品で色々思考が膨らまれたのだと、嬉しく感じております。

    未だに謎に包まれた龍馬、中岡の暗殺劇。
    私の役、近江屋の女将、井口スミの台詞を借りて言うならば
    「偉いお侍はんが二人、ここで亡くなりはった…それが真実どす」

    好きな台詞です。失礼しました。

    観劇いただいたお客様が、何日も経ってから舞台の事を書いてくださる。
    ハンダラ様の心に、ほたえなが残っているということで…うまく言えませんが
    嬉しいです。

    これからもグワィニャオンをよろしくお願いいたします。

    2016/01/01 00:50

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