ゴドーを待ちながら 公演情報 KARAS「ゴドーを待ちながら」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    すばらしい!
    「ゴドーを待ちながら」の面白さが最大限に引き出されていた。
    こんな面白いゴドーの提示の仕方があるのだと驚いた。
    もちろん変化球ではあるのだけれど、想定していた以上に直球なのが尚更すごい。

    ネタバレBOX

    まず、その声に驚いた。
    スピーカーから流れるウラジーミルとエストラゴンの会話。
    勅使河原氏本人だろうか?1人の人間が2役をやっている。
    妙な質感で、やたらと上手い。
    同じ声によるダイアローグのため、一人の人間の心の声のようにも聞こえる。

    声と重なりながら、勅使河原氏は踊る。
    1人の人間の終わることのない葛藤・逡巡の姿のようにも見える。
    いつまでも訪れない希望という名の救世主を待つ人間のように。

    もう一人の出演者、佐東利穂子さんはほんの少ししか動かない。ほぼ立っているだけ。だが、その姿が、勅使河原氏との絶妙な距離・空間を作っている。
    時に、彼女がゴドーのように見え、時に彼女は勅使河原氏の相手役(ウラジーミルかエストラゴンのどちらか)に見え、時に木のようにも見える。

    語りの上手さと、間の絶妙さから、徐々にそこにある空間が可笑しくてたまらなくなってくる。上記のことを意味として解釈しようとすると極めて深淵なテーマのように感じるのだが、意味と違うレベルでかなり面白い。もちろん、ユーモラスな対話だからという部分もあるのだけど、何より間がおかしい。

    「ゴドーを待ちながら」って、こんなに面白くなるんだなと思った。

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    2015/12/14 23:21

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