すばらしい日だ金がいる 公演情報 アマヤドリ「すばらしい日だ金がいる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    「喜劇」とあるが、題材が題材だけにベースはシリアス。/約140分
    私には「鬱」の話だとも、「鬱と競争」の話だとも思えなかったが、私を含め多くの人が身に覚えのありそうな“心の状態”を扱っていて普遍性があり、また、話の舞台となる施設が面白く、最後まで興味を絶やさず鑑賞できました。

    タイトルと内容のつながりはよく分からなかった。

    ◆追記

    タイトルと内容のつながりは、後日、作品を反芻してみて分かりました。

    ネタバレBOX

    ヒロインは自己抑制を重ねた結果、心が息絶えそうになっている元キャリアウーマン。
    人間誰しも、長じるにつれ、自分を解放してありのままにふるまう機会は減っていく。
    そこから来る苦しみを共有する者として、ヒロインに少なからぬ共感を寄せながら観劇しました。

    思えば、人を「さん」付けで呼ぶ行為にさえ、呼び捨てを自制するという意味において、自己抑制は付きまとう。
    出会ったばかりのクラスメートにすぐ呼び捨てできた学生時代が、今となっては奇跡のように思えてしまう。

    ◆追記

    最後、ヒロインは「お金を貸して」と、再出発のための資金を人に借りますが、これは“金がないと何もできない”自由競争社会を表し、ヒロインがうつ病になった(症状から私は彼女が鬱病だとは思いませんでしたが)のはそんな“きっつい社会”のせいだと言いたいわけですね。
    ならば、「鬱と競争のお話」と事前に告知されていた通り、もっと作品全体として「鬱と競争」に焦点を絞って欲しかった。
    私としては、その点へのフォーカスは、かなり弱めだったと思います。

    0

    2015/09/19 23:50

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大