見果てぬ夢 公演情報 劇団FULL HOUSE「見果てぬ夢」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    Aチームを拝見
     舞台は病院の庭。いくつかのベンチとプランターが据えられ、患者、医師、看護師たちが出入りする。内容的には、TVドラマ風のちょっと泣けて、ほっこりできる作品といった印象を受けたのだが、

    ネタバレBOX

     フライヤーなどでは、ハートフルコメディーとなっている点が気になった。作りがコメディーのそれとは、本質的に異なると感じたからだ。コメディーは、トラジェディーと同様、古くからの演劇様式である。それだけに古今東西、多くの作家がチャレンジしてきたジャンルであり、傑作と言われる作品も勿論残っている訳だが、作品化する時の難易度の高さは悲劇の数倍だろう。実際、これは、喜劇を作品化しようとした者なら誰しもが感じることではあるまいか? 
     まず、世界或いはシチュエイションと言い換えても良いが、に対する態度・距離感の問題がある。基本的には、常識や当たり前と思われている価値観を嘲る訳であるから、現実の人間関係と作品に描かれているそれとの適正な距離がどこにどのように描きこまれてゆくか、表現する順番はどのようであるのがベストか? 等々一概に結論を出せないような問題も処理してゆかねばならない。そのようなレベルに今作があるとは思われないのである。
     通常のストレートプレイとかホームドラマというコンセプトでなら、中々深い科白もあり納得できるのであるが、コメディーという括りで言われた途端、違うでしょ! と言いたくなってしまうのである。今作、メインになっているのが重度の癌患者で、おまけに妻は妊娠3か月の若夫婦だったり、ラブホテルを経営する親子の、糖尿病で社長の父と専務で娘の経営上の問題が絡んで来たり、夫を失って以来、精神に異常をきたしてしまった妻だったり、更には若い劇団員が盲腸で入院した所、腹膜炎を併発していて入院が長引き結果役を落としてしまったのだが、同じ劇団の先輩女優の彼女が、彼を慮って代役が決まったことを告げられなかったり、と内容的にかなりシリアスなものであり、シナリオもそういうスタンスで書かれているので、観客の心をまともに打つような科白が随所に入っている。そのためコメディーというコンセプトには入らないと考える。
     素直にストレートプレイというコンセプトで構わないのではないか。役者陣もかなり頑張っているのでコンセプトをキチンと纏め上げてゆけば、序盤、ちょっとゆるい感じも解消するのではないか、と考える。
    残念なことだ。

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    2015/09/14 18:22

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