満足度★★★★★
原爆乙女の会話が照らし出すヒロシマ/約120分
ドタドタとして騒々しかった前作『痒み』から一転、今作は派手な動きがほとんどない会話劇。
ケロイドの手術のため渡米したいわゆる「原爆乙女」たちの、自分たちの身の上にまつわる緊迫したやり取りが細やかに描かれる。
被曝による容姿の損傷が男以上に痛手となる女性同士の会話から成るだけに、セリフの一つ一つが切実味に満ち、心がザワザワしっ放しでした。
これから観られる方のために言っておくと、置きチラシの束の中に作品への理解を助ける資料が入っている上、会話を通じて物語の背景が分かるよう、脚本がとても丁寧に書かれているので、ヒロシマのことに明るくなくても、おそらく話は分かると思います。