果てまでの旅 公演情報 玉田企画「果てまでの旅」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    くすぐったい可愛らしさ
     中学3年生の修学旅行を描いた作品。

    ネタバレBOX

     卒業迄半年と迫った中学生は修学旅行に出掛けて来たが、描かれる場面は寺などを巡り宿へ帰ってからである。悪戯盛りの男子たちは昨夜から女子部屋へ行くことを話し合って盛り上がっているが、いざとなると矢張り羞恥心から気後れがしており、互いに牽制し合って中々話の本筋に辿り着かない。この辺りの思春期特有の照れと気後れが、間や微妙な会話のずれ・照れ隠しのしぐさで表現されていて、自分が同じ年齢だった頃を思い出させてくすぐったい。
     別の部屋に泊まっている同級生から、部屋の冷蔵庫が壊れているから使わせてくれ、と頼まれた飲み物が入っているのだが、酒である。無論、問題なのだが、脱線もまた修学旅行の楽しみの一つ。頼んだ彼らが冷えた頃を見計らって酒を取りに来たのだが、教師に見つからないように酒を持ち帰るバッグを忘れてきた、と言ってそこらにあるバッグに勝手に詰めて持ち帰ろうとする。それを一緒に来た仲間が止めるが、結局最終的には彼もそれを認め、持ち帰ることになった。この間、一悶着あって詫びのつもりか酒を持ち込んだ首謀者はコンドームを2つ部屋に置いてゆく。
     暗転後、人が入れ替わって女子部屋である。例によって噂話と恋話に花が咲いているが、4人のうち2人は同じ男の子が好きでライバルの為、悉く対立する。恋敵を仲裁することによって自らをアイデンティファイしようとする女子。もう一人は風邪をひいて熱っぽい為、布団にくるまっているが、3人の騒がしさに内心無論いらついている。風邪をひいているのでなければ当然自分も加わって恋話に加わっているだろうに、というレベル迄表現していないところが、中学生という設定のなせる技だろう。
     ヒントは挙げた。上演中故、あとは想像すべし。

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    2015/09/11 02:59

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