満足度★★★
劇団初見/約135分
バートルビーとは何者なのか? 知りたい気持ちと、知りたくない気持ちが相半ばするなか観劇。
けっきょく私には、バートルビーが何者なのかよく分からなかった。
残念に思われたのは、作者独自のバートルビー観が強く打ち出されていること。
観てゆくうち、バートルビーの謎めきに魅かれ始めた私にとって、バートルビーに固定したイメージがつけられてゆくのは少し興醒めであった。
もっと多様なバートルビー観を提示し、客の頭を混乱させるような作り方は出来なかったものか?
そうすれば、バートルビーを知りたいという気持ちと、謎めいた不気味な存在であってほしいという思い、その双方に応えられる。
燐光群は初見だったが、断片の積み重ねで劇世界を構築してゆく方法論に面白味を感じた。
そして、セリフの洪水に心地好い音楽性を帯びさせてゆく独特の演出にも。