時をかける206号室 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「時をかける206号室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 意味ある「盆」セット
    二度見感想失礼します。
    (1度目の感想と評価は変わらずなので、評価欄は空欄とします。)
    二度見でやっぱり色々謎が解けた部分、
    伏線に気づけた部分、沢山ありました。


    でネタバレ避けるとして書けるのは、、、
    「盆」まではもうTwitterその他でネタバレOKになってるようなので。

    今回全ての部屋を構成する「盆」セット
    (部屋自体と、部屋の壁)の動きがすごいですね。

    (他劇団で、1つの盆上に島全体を構成するというのは観た事はありますが)
    複数の盆が回る事で
    ・ 部屋の外と中
    ・ ご近所さんとの関係(的なもの)
    ・ 人の移動
    ・ (今回重要となる)部屋位置の特定をさせない
    ・ 同じ部屋の場面/視点転換的なもの
    その他色々なものを表現する、というのは
    初見では「めまぐるしいスーパーマリオのようだ」と思いましたが、
    二度見で見直すと中々にうまいアイデアなのかと。

    物語が見えてきた時、部屋から部屋へと移動する
    ”マリオ”が物語を繋げていく姿が「すごい!」と。


    あとは初見から思っていましたが
    ボクラ団義および他劇団の看板俳優陣が
    今までにやってきた役とまったく違う役に挑戦する、
    というのも本人達のTwitterで「新たなる挑戦」として
    情報はあがっていましたが、

    実際に観ると、いままで観た各劇では
    「感情移入出来る悲しい主人公/ヒロイン」などの役にあった彼ら/彼女らが、
    「こんな奴に感情移入できるか!」と怒り心頭になるような
    「ダメ人間」だったりする事
    (それもまた悲しい感情移入対象ではあるのですが)、

    そして他劇でのいかにも「主人公」的なかっこよさを完全に打ち消して
    観ている側(観客)にちゃんと嫌悪その他の念を抱かせるのが、
    本当に「演技上手」だなあ、と思わせられました。

    ネタバレBOX

    【思った事】
    ・ 初見よりヒロインの方などはすごく台詞回し良くなってましたが、
      ベテラン勢が
      ・ のどを痛めかけている
      ・ 台詞トチリなどが増えた
       (公演期間中盤まで来た事による気の緩みかあるいは疲れか?)
      など、ちょっと今日初見の人には残念な部分があったかも知れません。

    ・ 二度見だからこそ、
      ・ 201~203号室の事実+主人公がねじ曲げたフィクション
      と、主人公なりの懺悔的な意味合いを持った
      ・ 204、205という書きかけの物語(娘と完成させる)
      との、つくり/結末の方向性の違いが際立って見えました。
      
    ・ やっぱり漫才師コンビとオカマの関係性には、
      (こちらは主人公と娘の想像であるとわかりつつ)
      涙腺を強く引かれます。

      ※ 初回観劇後+本パンフレット読破後も
        漫才師(図師さんの方)が
        太った父親に従う理由部分と位置づけが
        「アレ?(ちゃんと理解出来ていない)」の状態だったのですが、
        本日二度見で確かめて、
        ・ 父でもなんでもない存在だが、実の子であるオカマを守り
        ・ オカマの代わりに、漫才師(加藤さん)に対しての全ての(父の)罪を引き受ける
        という位置づけだった事を「ちゃんと」理解しました。

    ・ 他の方の感想で、
      今回は凝り過ぎ
      (過去のボクラ団義公演でも沢山あったけど、
      ここまで来てはボクラ団義初見は「唖然」とするばかりで
      多分話の半分も理解出来ないのでは?)
      というようなものがありましたが、

      自分もボクラ団義の演劇を観て数回という所では
      (「PlayAgain 嘘ツキたちの歌」「さよならの唄」など)
      まさにその感想と同じ気持ちを持ったんですよね。

      この劇団は確かに壮大ではない世界の中に
      すごく入り組んでいてトリッキーな
      ロジカルミステリ空間を作り上げて、
      パズルで一度ハマったピースを起承転結の「転」で
      全部バラして別のピースとして組み直す、
      観客を騙しまくって最後の最後で思いもしなかった方向に
      完結させるという、
      ハマればすごい面白いけど、ハマれない人には
      「ちんぷんかんぷん」な物語を作るなあ、と。

      何種類かあるボクラ団義の色の中で

      ・ ファンタジー色の強い作品(名作多々)
        比較的分かりやすい物語展開が多い

      ・ ロジカルミステリ色多々(怪作多々)
        1度で理解出来る人は本当に少ない

      の状況において、
      観客に友人知人を誘わせどんどん一般層へボクラ団義を広げていくなら
      「分かりやすい方向」を目指す、
      「トリッキー度(久保田唱さんのこだわり度合い)」を減らす、
      などが必要なのかなあ、と自分も思っていました。

      しかし、本劇初見でひさびさに久保田唱色に完全に染まった
      ロジカルミステリ作品を観てしまうと、
      この色に特化した劇団でもあってほしいなあ、と思うんですよね。
      (「観劇脳」自体がこの色を待ち遠しく思ってしまっている感があります。)

      もういっそ、
      「今回は非常に分かりやすい感動作品です」
      「今回は完全ロジカルミステリです、1回じゃ理解できません、好みは分かれます」
      というのを、フライヤー時点で表記してしまうぐらいの方が、
      ・ 今回は1人でボクラ団義作品を楽しもう
      ・ 今回は友人連中を誘ってみるか(観客の挑戦)
      という感じで観客側も動きやすいのかも知れません。

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    2015/08/23 23:03

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