楽屋 公演情報 Quiet.Quiet「楽屋」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今後も様々なチャレンジをしてほしい
     この作品は、全国で上演される内外の劇作品中最も上演回数の多い作品だ。それだけに各上演劇団、演出家は、様々な工夫を凝らし、冒険を試みてきた。今回、今作を上演したのは、京都に本拠地を置くQuiet.Quiet。第6回目で初めて東京に進出した。演出家は、最終的には、言語での理解を必要としない演劇を目指す、という。6回目の公演で言葉の綾が見事なチェーホフ作品をふんだんに鏤めた今作の上演は、チャレンジの意味合いが強いだろう。様々な実験・冒険が試みられている。

    ネタバレBOX


     オープニングで作品のコンセプトを表すテロップが、90度異なる客席に座った観客の正面に見えるように映写される中、客席側舞台交点の太い柱には、プロンプター役者2人が、各々正面に設えられた鏡に向かって腰掛けている。二―ナ役を演じる女優の帽子もハット型ではなくキャップ型であり、科白もラップ調で、一瞬詰まると間髪を入れずにプロンプターがフォローする。プロンプターの話として通常演出家は演出するのだが、実践しているのである。これは実に面白い演出であった。
     残念だったのは、京都から出張って来て、予算の関係もあるのだろうが、二―ナ役の女優が、空き瓶で二―ナのプロンプターを殴るシーンが、音だけで表現されたことと矢張り二―ナ役の独白部分(独りアパートのトイレに籠って云々の箇所)で、演じた女優がこの科白の鬼気迫る迫力を出し得なかったことか。
     その辺り、プロンプターAを演じた秋葉舞 滝子さんの切られの仙太の啖呵、ふと見せるプロンプター故の哀しさや侘しさの演技は、流石である。


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    2015/08/23 16:55

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