1995 公演情報 ブルドッキングヘッドロック「1995」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    懐かしい、笑った、堪能した
    1995年
    あぁ、自分も歳をとったとつくづく思うのは、若い頃に活躍していた芸能人の今の姿を見せられた時かもしれない。この物語も1995年頃にアイドルを目指していた四人組女子高生である。それから20年経た現在、そして...。

    この時間...アイドルであろうが皆等しく経過していく。容姿は気持ち以上に衰えを見せるだろう。女性四人いれば各々の人生は色々...そんな昭和の歌もあった。この時間を巡るストーリーが全編を貫く謎解きのようなファクターにもなっている。果たして、当時の「夢」と「希望」はどうなったのか? といったリアルな投げかけも観えつつ、爆笑シーン満載のコメディ。しかし、その中でしっかり、いや垣間見える怖い話が印象に残る。


    ネタバレBOX

    舞台セットは洒落ている。上手客席側には長テーブルと椅子でリビング風、その奥には刳り貫きしたダイニング、下手客席側にテラスをイメージした丸テーブルとファション椅子が置かれている。またその奥は1m程高くなっており、別部屋という感じで赤い横長ソファーがある。そして、下手側が舞台前と後を仕切るカーテン(過去・現在の交差や邂逅、もしくは回顧シーンに利用)...セットは凝っている。

    さて、アイドル氷河期といわれた1995年前後に、アイドルを目指す四人の女子高生、そこにはデビューを巡る事務所の戦略・思惑(年齢詐称)や当時の女子高生の実態(猥雑・猥褻な風潮、ルーズソックス等の象徴的ファッションも含め)もセリフの中に出てくる。実在したキャンディーズ、ピンクレディーの名前やイエローキャブの○田社長を彷彿とさせる人物、映画の話題...中原俊 監督「桜の園」「優しい12人の日本人」などポンポンと出てきて懐かしい。

    時代は現代へ...そのアイドルグル-プの一員の家が高層マンションというこの舞台の部屋。実際はメジャーになれなかったようだ。引退し今は主婦で一女の母。

    その部屋に40歳まで独身を通してきた男のお見合い(出会いのセッティング)から始まるドタバタ騒動。その独身男が若いときはアイドルオタクだった。

    最後は怒涛のような展開で、2095年から来た未来人まで登場し、環境汚染・破壊などの寓話もチラホラ会話の中に出てきて、なにやら怖い面も覗く。そのうち次々とカラーコーンが置かれ、電飾する派手な光景が出現する(時空間の歪みによる弊害)。その不思議な光景はテラスから見える景色、建物を建てているのか壊しているのかわからない、というセリフが印象的である。喧騒の中に過去を懐かしむ自分がいて、高揚した気分に浸っており観ていて飽きない2時間25分(途中休憩なし)であった。


    初日は、中央通路(廊下という設定)で、存在感のある女優・岡田あがさ さんが蹴躓く場面があり、舞台は生ものであることを改めて知った。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/07/31 19:09

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