満足度★★★★
歌舞伎の「骨」はあくまで残す。/約95分
劇団初見。
歌舞伎を現代風に変えてはいるが、骨抜きにはしていない。
この点が、木ノ下「歌舞伎」を標榜するこの団体の味噌だと思った。
口語的セリフやイマっぽい趣向を盛っても、歌舞伎の「骨」すなわち構造は残してあるので、歌舞伎固有の構造が生み出す緊張感は息づいており、とても見応えがある。
崩し方にこのようなこだわりがなかったならば、本作は歌舞伎を原作として用いただけの凡庸な劇に終わっていたことだろうし、こりっち舞台芸術まつりでグランプリに輝き、今回このような形で大々的な再演ツアーが組まれることもきっとなかったに違いない。