満足度★★★★★
K市の今昔物語
鋳物で有名なK市を舞台にその今昔を扱った物語ですが、緩急が絶妙な構成のうまさとセリフのうまさを兼ね備えた戯曲、繊細な感性でその機微までくみとり見事に立体化した演出、俳優陣の意気込みががっちりとかみあい、キュポラからほとばしる溶湯のように、不器用にしか生きられない男たちの熱い思いがひしひしと伝わってくる作品になっていて、特に劇作家と演出家の相性というか組み合わせがとてもうまくあっている印象を受けました。
テーマの一つでもあるものづくりは舞台作りにも通じており、劇団創立60周年記念公演の締めくくりとしてとてもふさわしい作品をもってこられたのではないでしょうか。
上演時間は途中休憩無しの約2時間。