ここにいる!? 公演情報 BIG MOUTH CHICKEN「ここにいる!?」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    Aチームを拝見
     シックスセンスを身につけた霊児の周りに集まるのは、奇妙な人々と霊ばかり。唯一、まともなのは、最近できた彼女だが。彼の特殊な能力と良く見る夢とも現とも知れぬ世界には、信じられないような因縁が潜んでいた。

    ネタバレBOX

     様々な霊を活かすか殺すか判断し、決められた世界へ送ることを生業とする死分、怨霊化しそうな思念の強すぎる霊を自らに取り込んで浄化することのできる魔子。二人は現在、上司と部下の関係である。上司は魔子。
     死分と魔子が、元カレ・元カノの関係で、表面上は面も見たくない、というフリをしているものの、未練たらたらなのが、傍目にも丸見えのシチュエイションという設定だが、組み立てが若干甘いようだ。序盤に登場するギャグの質が低いのである。ここ数年、殊に目立つ不自然な発音やイントネーションを用い、粋でもなければ通でもない、単なる駄洒落と楽屋落ちレベルのギャグもほぼ同時に出てくるのだが、彼らの恋が一方の中核を為すこの作品で、この構成はないだろう。
     本来、若者たちが、伝統的な表現形式や言葉を変えて行く背景には、先代たちに対する異議申し立てや、批判があったハズである。今作で序盤に用いられている現代日本の若者表現もまた然り。
    だが、今作では、その表現法を此処で用いているだけで、中盤からは普通の表現に戻る。そのことに対して、序盤の、先代たちの表現やそれによって示される価値観を批判していた地平から、批判対象の用いる表現に戻す何らの必然性も説明されていないのみならず、何故、序盤でそのような表現をしたのかについて、納得のゆく科白もない。TVなどの三流番組じゃあるまいし、舞台に掛ける科白であれば、シナリオライターはもっと言葉に対して真摯に向き合うべきであろう。
    中盤は、まったり感が強い。流石に終盤だけは、キチンと作品を盛り上げてゆくし、思い掛けない上質のギャグシーンと人間関係が見出せるだけに、指摘した点を改善して欲しい。

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    2015/01/28 17:10

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