満足度★★★★
まいどー
役者が演る落語である。今回は、馬鈴薯、無花果、雛菊、仲入りを挟んで、みかん、白萩の5人が高座へ上がった。それぞれ、個性も出、話自体も面白く拝見したが、矢張り演劇を中心に観ている自分としては、落語は究極の独り芝居という感じが強い。無論、下げがあるのは、落語の特徴であるが、話と言っても、高座に上がった落語家は結構、様々な所作を作るのであり、その入れ込み具合なども、観客からの評価の対象となる。
具体的に一例だけ挙げておけば、亡くなった談志の「芝浜」などは、これに当たるだろう。間が大切な役割を果たすことなども共通している。シナリオの良し悪しが、作品の骨格を決めてしまう点も同じだろう。さらに、落語の扱う題材は、その殆どが庶民に纏わる話だという点でも、現代の劇に近いかも知れない。
何れにせよ、とても似通った世界なので、落語という別ジャンルにチャレンジするというより、演劇の幅を広げる感覚でチャレンジして貰うのが良さそうである。関東の落語、関西の落語の差も、更に際立たせてもらいたい。というのも、関西の社長は、オーナーが多いのだが、東京の社長は雇われが多い。気質にも当然、差があるのだ。