マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015 公演情報 劇団ショウダウン「マナナン・マクリルの羅針盤 再演 2015」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    イマジネーション豊かな女優、遊眠
     林 遊眠は、不思議な女優である。可愛い顔立ちで、男性からも女性からも好かれるタイプだとは思うが、無論、それだけでは無い。いつの間にか、彼女の魅力に引き込まれて、応援したくなってしまうのだ。

    ネタバレBOX


     今回も実際には決して大きくない体で10人以上の人物を演じ分ける。大海賊ティーチから、その副官ボネット、イギリス海軍提督、副官、最少年海賊キング、少年奴隷出身で軍人を夢見る仲間の黒人少年アジク、主人公ベラミーとその参謀になった親友ピエトロ、育ててくれた憧れの女性であり、女奴隷であった母なる女性、最強の女神モリガン、何度もベラミーの危機を救った逃亡奴隷のダガン等々。男性、女性、女神まで多くの役をなんなくこなすばかりでなく、其々のキャラクターを際立たせる、彼女のヴィジョンは、正確であるのみならず、的確であり、彼女のイマジネーションの豊かさを明かしている。また、このシナリオの持つ普遍的でブレの無い中にも、危険に身を晒し、ベラミーの指示如何で命を投げ出す部下たちの犠牲への、優しく強く人間的な悩み葛藤が、観客の胸を打つ。この内容に呼応して実にヴィヴィッドにイマージュを立ち上げる遊眠がいる、たった、一人で。これで虜にならない方がおかしい。彼女の演技の見事さである。
     蛇足であるが、物語の中で、神々は、その世界に入る者に厳しい試練を課す。それに応え得た者だけが、普遍の地で、自由の為に闘う尖兵として、人々の解放という希望を担う王として、欲に目の眩んだ為政者共への永遠の闘いに加わるのだ。が、それは、皆、一人、一人の個人としてなのである。
     シナリオの普遍性は、ベラミーの演説の普遍性にも支えられている。その高い倫理性と人間的で自由で誰もが憧れる価値を持った演説だからだ。更に、リーフレットの説明にあるように、ベラミーは実在した海賊である。シナリオにも史実からの反映が多くあるとのこと。なればこそ、余計に現在を生きる我々への熱いメッセージともなっていると言えよう。為政者共の横暴に負けるな! との熱いエールをも、自分は受け取った。
     9月には4日から6日迄、アウルスポットでの公演「ジャガーノート」が上演されるとのこと。こちらも是非拝見したい。

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    2015/01/17 02:37

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  • 林 遊眠さま
     心の籠ったメールありがとうございます。
    ひとまず、お疲れ様でした。
    バイアスを掛けずにもの・ことを真っ直ぐに見つめ、
    一人、一人を大切に、一所懸命に生きる遊眠さんの姿勢が、
    人々の心を撃つのだということが、改めて納得できるような
    素敵なメールです。
     自分も、ありとあらゆる差別が大キライです。怪我をすれば、
    同じ赤い血を流し、恋をすれば、子供もできる。何にも区別する
    必要がない、というよりそれぞれが、それぞれの場所で懸命に
    生きている。そのことを否定するようなことを無くすよう骨を折りたい
    と思っています。
     ジャガーノート、楽しみにしていますね。
    また、その時。
                            ハンダラ 拝

    2015/01/24 17:32

    ハンダラさん
    今回も、ご来場誠にありがとうございましたっ★
    物語を本当によく見てくださっていて、とてもとても嬉しいです。
    マナナン・マクリルの羅針盤は、一人で演じきる面白さもありますが、やはりその物語を届けたいという気持ちが強くあります。
    この物語には、ただの海賊モノというワクワクした部分だけでなく、本当に色んな人たちが生きた、それぞれに持っている想いのぶつかり合いだと思っています。
    そして登場人物がそれぞれにイキイキしているのは、みんな、その瞬間その瞬間を一生懸命に生きているからなんでしょうね。
    私も彼らの仲間に入りたく、その瞬間その瞬間を一生懸命に生きて演じようと頑張りました。
    身分や人種で人を判断し、態度や扱いが変わるなんていう愚かな事は、未だにこの地球上に残っており、ニュースで見るたびに人ごととは思えません。
    この地球上に生まれて来た自分に精一杯出来ることを、これからも模索しながら、また新たな感動を生み出せるように精進していきます★
    ジャガーノート、楽しみにしていてくださいっ★★★

    2015/01/24 12:16

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