嘘は、検索できません。 公演情報 スーパーフルタフレーム「嘘は、検索できません。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    嘘オンパレードの感があった2014年
    であったが、植民地トップが、嘘を吐き続けているにも拘わらず、それをホントと「勘違い」する下司な連中の嘘の何と被害甚大なことか? そんな嘘の庶民版は、為政者共の嘘に比べれば、被害はとても小さい。それでも、ここに描かれた嘘は、それぞれ、個性的で示唆に富む。フルタ流のタッチで描かれた作品群に注目。(追記2014.12.29)

    ネタバレBOX

     5本の短編で形作られたオムニバスだが、どの逸話も当事者になってみれば、かなりリアリティーのある話として感じられる辺り、流石にフルタが関わる芝居である。また、登場人物の背景にある人の顔のようなオブジェの使い方、照明や音響と上手く絡めて極めて効果的な背景を作っていること。この技術力の高さにも感心した。ただ、観客の多くが、未だちょっとついて来れない、という点があるかも知れない。自分は、このドライで知的で
    ちょっとエキセントリックな所がとても好みなのだが。何構う事は無い。時々、振り返り乍ら、突っ走ることだ。それが、できる劇団である。
     今回、最高点をつけなかった理由は嘘というコンセプトよりは、人生そのものの有象無象が描かれていると感じた作品が半分近く入っていたと感じたからである。無論、この判断は、嘘をどのように定義しているかで異なってくる。だから、評者の個人的見解であるに過ぎないのだが、自分にはリアリティーの方が先に立つ作品が、少なくとも2つ。漫画家の話と店長の話にあった。
     劇団というか演出の才能を示すシーンがあったことも指摘しておきたい。件のオブジェについてである。オープニングの段階では、目に当たる部分は入っていない。これを黒子風のスタッフがつけるのである。画竜点睛を観客の目の前で、昏目の照明で行う。これは見事であった。言う迄も無いが、この後始まる劇を象徴しているからである。

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    2014/12/28 11:52

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