フタリニミエタ 公演情報 Oi-SCALE「フタリニミエタ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    演劇の本質
    は、他者との関係にあり!! にゃ!!!!~~~~~っつ! ふぎゃ!

    ネタバレBOX

     演劇の本質は関係にある。無論、総てが関係の中に在るのであるから演劇についてだけそういうのはオカシイと論ずる向きもあろうが、ドラマがドラマティックであり得るのは、二項対立か三項対立という代表的な対立形式があればこそである。二項対立はデュアリズムに照応し、三項対立は弁証法に照応する。ドラマチックな総ての戯曲は、このどちらかに分類できるのではないか? 無論、有史以来総てのドラマティックな戯曲がである。
     総てが関係の中にあるのに、戯曲についてだけ関係を持ち出すのはオカシイと言う人々に対しては、こう答えよう。戯曲は、対立する関係を浮き彫りにする為にこそ、論理的に構築されるのであるし、その意味では、総ての関係に目配りをした上で、対立関係に収束させるタイプの芸術なのだ、と。
     この定義から、今作は若干ずれている。何故なら、明確な対立項目が主観の外に設定されていないからだ。結果、関係性はイマイチ不明確で不分明なものにならざるを得ない。登場人物のキャラクターが、総て、作者の影に過ぎないからである。これでは、各キャラクターが異質なものとしてぶつかり合うことが不可能である。自らの解析を通してキャラクターを析出するしんどさは理解するし、影が生まれてくる心理状態は自分にも経験がある故、否定したりはしない。然し、それならば、ベケットのように演劇の不可能性迄追求したら良いのだが、それもできまい。出来ない理由は簡単だ。ベケットは一旦、外の世界から、自分を見つめて作品をものしたが、本作の作者は外の世界から自らを観たことは無いように思う。其処が決定的な差なのである。一旦、世界に飛び出すべきだ。その上で本当の勝負になる。

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    2014/12/11 02:20

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