漏れて100年 公演情報 突劇金魚「漏れて100年」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    正直、あまり取っつきやすい劇ではありません。/約100分
    思いっきり抽象的で作品につかまるための安定した取っ手がなく、かなり取っつきづらいお芝居。

    笑い、恐怖、謎といった取っ手がしっかりと付いていれば、それらをよすがに鑑賞できるが、それらの取っ手は劇に身を固定するにはいずれも脆すぎた。

    サリngROCK作・演出の芝居を観るのはOn7『痒み』に次いで2度目だったが、ちっぽけな人間の営為を対象から遠い場所からまるで観察記録でもつけるように淡々と描く作風は2作品に共通。

    ただ、前半に日常劇の要素があり、全体に笑いも多めな『痒み』のほうが、本作『漏れて100年』よりもずっと取っつきはいい。

    一方、本作は神話さながらにスケールがでかく、描かれる世界は我々の暮らす日常から大きくかけ離れていて、“大きな世界の中のちっぽけな人間”を描いてはいながらも、どうにも取りつく島がない。

    ゆえに私も“対象から遠い場所から”眺めるように劇を観ざるを得ず、引き込まれるまでには至らなかった。

    ただ、劇中に登場する不思議な生物や植物が面白く、また、とても好きなギャグが2つほどあったので、★は3つ。

    ネタバレBOX

    「さち」という名の少年が“終末以後”を思わせる荒涼とした世界で「仙人」と呼ばれる老婆や「無限」と呼ばれるオッサンら数少ない人間たちと関わりながら100年を生きる話。

    半径3メートルの世界のことで頭の中がいっぱいな私ゆえ、これだけ柄の大きい話には正直ついていきづらかった。

    ただ、スケールのデッカイ話は人間というものの卑小さを否でも応でも意識させ、“人間なんて宇宙から見りゃゴミみたいなもんなんだからどう生きたっていいんだ”と勇気づけてくれるようなところがあって、少しばかり力をもらったのも事実。

    そういう効能がこの劇には確かにある。

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    2014/12/01 10:41

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  • ご来場ありがとうございました!
    「痒み」もありがとうございました!
    ご意見ありがとうございます。
    今後も精進します。
    また、お目にかかれることを願っております。

    2014/12/03 17:22

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