エセっぽい関西弁
事前情報なしに観劇しました。
なので観る前は、”人狼ゲーム的な、騙し合うスパイもの”を連想していました。
――下宿人がスパイと見せかけて、家族をかく乱するイリヤ。実は彼こそがスパイであり、自覚のない下宿人を手駒に各所の情報を収集と管理をする東側の上級局員
……しかしイリヤは知らない。娘のソーニャもまた西側の監視下で動かされている手駒であり、弟のジューラは民族主義勢力を立ち上げようとしていることを……――的な展開を妄想していました。
(だって1980年代のユーゴスラビアって、東西だけでなく、各民族や各共和国・宗教勢力のほか、中国や中東の勢力も暗躍した時代ですもの)
でもふたを開けてみたら、軽快な喜劇。特にイリヤが関西弁(?)を喋る姿はぴったりとしていて最高の演出でした。
劇全体に、スターリン主義や共産主義を信奉する姿(旧ユーゴの共産主義などですので、ソ連や他国とまた違うのでしょうが…)を、滑稽に風刺するシーンがあります。
……ブレヒトの芝居小屋の壁には、「赤旗」とか「オスプレイ反対」とか、赤かったり左だったりなキーワードの張り紙が見られるのに、……良いのか、この劇場で…