バルカンのスパイ 公演情報 日本・セルビア演劇交流プロジェクト「バルカンのスパイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    疑心暗鬼
    共産主義国家ならではの話でありながら、政治体制や貧困から生じる悲喜劇というテーマは今日の日本にも通じるものを感じました。

    下宿人のことを西側のスパイだと勘違いし、仕事を辞めて生活の全てを下宿人の尾行・調査に費やし、家族までも巻き込んで行く男の姿を描いた物語で、物事を自分の都合良く解釈する様子が滑稽でした。最初は夫の方を変に思っていた妻が終盤で夫の側に付く場面が恐ろしかったです。
    ラストでは壁が崩れ落ち、主人公の空虚な心を象徴していて印象的でした。
    物語自体は面白かったのですが、受けを狙った衣装や小道具の演出はわざとらしくて違和感を覚えました。

    舞台を枠取る赤いベルベット生地のプロセニアムアーチが古ぼけた感じを出していて良かったです。屋台崩しでプロセニアムも壊した方が社会の枠組みの崩壊を暗示してる効果的になると思いました。
    セルビアの音楽(おそらく)をふんだんに用いていて、東欧独特のエキゾティックな雰囲気が漂っていました。

    日本で上演されるヨーロッパの戯曲はドイツやフランス、イギリスが多く、東欧の作品はあまり取り上げられませんが、他のセルビアの作品も観てみたく思いました。

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    2014/11/24 22:25

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