へたくそな字たち※無事公演終了致しました!ありがとうございました! 公演情報 TOKYOハンバーグ「へたくそな字たち※無事公演終了致しました!ありがとうございました!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    文科省よ! 中学(夜間部)と本来なるべきだろう
    描かれているのは1998年5月30日から1991年3月17日迄の3年間である。昭和63年から平成元年に当たる。

    ネタバレBOX

     
     生徒は、十代から五十代までと幅広い。この夜間中学は大田区糀谷という設定になっている。大田区は田園調布を擁する高級住宅地が在ることでも知られるが、東京の町工場の一大集積地としても知られる。なぜなら、世界中で、この地区の特定の町工場にしかできない仕事をやっている工場が存在しているほど技術的レベルが高いからである。その点では、まいど1号以来、有名になった大阪の町工業地帯とも共通するものがあるかも知れない。何れにせよユニークな町である。
     さて、夜間中学の話である。自分も30年以上前に尾久の夜間中学を取材した経験を持つ。その時体験したことと被る部分が結構あって、拝見しながら、劇作・演出を手掛けた大西 弘記氏が、キチンとした取材をしているなと思わされる箇所が随分あった。今作には、無かったが、自分の経験から、字が読めない、ということはどういうことなのかを伺った具体例を1つだけ挙げておく。電車等に乗る時、初乗り運賃切符を購入なさるそうである。で、降りる駅は、アナウンスに気をつけていて、目的地の駅名がアナウンスされた所で降り、精算なさる、とのことであった。大変な苦労をなさるのだな、と改めて思い知らされた記憶がある。
     一方、生徒達の構成は、時代の鏡でもある。自分が取材した33,4年前の尾久では、中国残留孤児の方々、在日の方々、登校拒否で学校に通えなかった若者、終戦のドサクサで学校に通えなかった方などがいらした。給食が出ることや土曜日には、給食が無いことは、今作に描かれている通りである。
     教師の質が高いことも今作に描かれている通り。実に人間的で、包容力とイマジネーションに富み、而も謙虚で真摯な先生方には尊敬の念を禁じえなかったことも記憶に新しい。また、生徒達も苦労してきた方々、子ばかりだから、ホントに暖かい。真の連帯を果たすのが、弱者たちだけだというアイロニカルな真実も露呈するのが、夜間中学という場所である。その点も、実に巧みに描かれていた。
     役者総ての顔が良い。どの役を演じている役者も輝いているのだ。こんなに良い顔を役者全員にさせたシナリオ・演出も高く評価されるべきであろう。
     観て泣く必要はない。唯、今でも、夜間中学に通う人々が居るのだという事実を認識して欲しい。自分が取材した時点で、文部省(当時)は、夜間中学を正式に認めていなかった。現在はどうか調べていないが、今でもそうだとしたら、文科省は見直す必要があろう。無論、自分達の態度をだ。

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    2014/11/09 23:55

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  • ハンダラ様

    「観てきた」への丁寧なコメントありがとうございます。
    役者の表情もほめていただきありがとうございます!

    楽日まで、丁寧に作品をつくりつづけてまいります。
    これからも応援よろしくお願いいたします。

    2014/11/15 01:05

    ホントに皆さん良い顔なさってましたね。
                       ハンダラ

    2014/11/09 23:57

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